認知症協会の山根です。
今日も若々しい脳をたもつ秘訣を学んでいきましょう。
40代、50代を超えた頃から、
私たちの外見は老い始めます。
髪には白いものが混じりはじめ、
鼻の横や目尻にはくっきりとしたシワが目立ちます。
皮膚は張りがなくなって乾燥しがちになり、
シミが浮き、ほっぺも心なしか垂れ下がってきます。
これらは分かりやすい老化の現象ですが、
もっと分かりにくい老化もあります。
それが内臓の老化です。
普段目に見えないため意識することは少ないですが、
私たちの内臓もまた着々と老化が進んでいます。
そもそもなぜ私たちの体は老化していくのでしょうか?
こうした老化を止めたり、
遅らせたりする手立てはないものでしょうか?
脳が老いるとはどういうことか?
実は老化とは、私たちの細胞が「サビていく」
ことによって引き起こされる現象です。
これを酸化といいます。
鉄が赤茶けたサビに覆われていく現象、
これも酸化ですね。
私たちの体は、年をとるにつれて
日々サビついているのです。
そして、この酸化をもたらすものが、
「活性酸素」です。
活性酸素は、私たちの細胞が
酸素を取り込む過程で自然に生まれるものです。
それ自体は避けることはできません。
活性酸素は有害で、私たちの細胞を傷つけ、
サビさせていきます。
ただし、私たちの体にも、
あらかじめ活性酸素を除去する
酵素が備わっています。
それがSODと言われる「抗酸化酵素」です。
抗酸化酵素は細胞内に存在しており、
活性酸素による酸化から体を守ってくれます。
しかし、40代を超えた頃から、
急激に抗酸化酵素は減少していきます。
そして活性酸素が優位になると、
私たちの体は一気に酸化が進み、
外見・内臓ともに老け始めます。
脳は特に活性酸素のダメージを受けやすい
酸化により細胞がダメージを受けることによって、
様々な病気のリスクも急上昇します。
ガンや血管系の病気などの80%以上は
酸化が原因であると言われます。
そして私たちの臓器の中でも、
特に酸化しやすい部位が「脳」です。
人間の脳は体重のわずか2%にすぎませんが、
その酸素消費量は身体全体の20%を占めます。
つまりそれだけ活性酸素が蓄積しやすい部位なのです。
加えて、脳の大部分を構成する脂肪は
非常に酸化しやすい物質です。
脳の老化が進めば、記憶力や認知力が低下し、
本来の聡明さは失われていきます。
さらに、酸化ダメージを受けた
神経細胞はアミロイドβを分泌します。
こうして、老化した脳は
アルツハイマー病をはじめとする認知症への坂を
転がり落ちていくことになります。
老化を防ぐためのシンプルにして効果的な方法
もっとも簡単な方法は、
抗酸化力の高いものを日頃食べるということです。
加齢により失われる抗酸化酵素は、
食によってある程度補うことができます。
例えばポリフェノールです。
ポリフェノールは植物を酸化から守る機能があり、
私たちの体内に入ると抗酸化物質として作用します。
若々しい見た目や脳を保ちたければ、
積極的にとるべき成分でしょう。
ちなみに今までに最も長生きしたのは、
122歳まで生きたフランス人女性の
ジャンヌ・カルマンだと言われます。
85歳からフェンシングをはじめ、100歳まで自転車で町を走り回るなど、大変パワフルで聡明な女性でした。
彼女の大好物は赤ワインとチョコレート。
どちらもポリフェノールが多く含まれる食べ物です。
ポリフェノールには8000種類以上あり、
フェルラ酸やレスベラトロールなど、
認知症に効果が認められているものもあります。
詳しくは書籍の第4章以降で
詳しくご紹介していますので、
こちらもぜひ読んでみてくださいね。