設立概要

急速に進む日本の高齢化

超高齢社会の日本

日本はすでに5人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎え、2035年には65歳以上が総人口に占める割合(高齢化率)が3人に1人に達すると推計されています。

また厚生労働省発表の最新統計によると、現在の日本において、認知症患者数は急激な増加の傾向にあり、さらに認知症発症者が一定で推移したと仮定した場合、2025年(平成37年)までには約700万人になると予測されています。

これは65歳以上の認知症発症者が、現状の「約7人に1人」から「約5人に1人」にまで上昇する見込みになります。

さらに、全国の自治体を調査した結果、地域コミュニティや近親者との関係が疎遠になった等の理由で、引き取り手がなく、孤独死してしまう高齢者は、平成20年度だけで3万2千人にのぼり、人口推計においても、単身高齢者が、今後増加していくことが予想されています。

近年は様々なマスメディアを通じて認知症に関する情報発信が活発になっており、将来、認知症を発症することで自らの意思表示ができなくなることを心配し、自らが率先して行動し、様々な社会活動に参加するされる方々も増えています。

 

高齢化と同時に進む認知症患者数の増加

厚生労働省の発表によりますと、現在65歳以上の高齢者のうち、約3人に1人が認知症及びその予備軍であるMCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)と言われ、2025年にはその数は1,000万人を突破するとの試算も出ています。

医療保険や介護保険は認知症患者にしか適用されず、健常者やMCI発症者に対する予防対策は、個人の自主的活動に委ねられているのが現状です。

一方、アルツハイマー病には認知症予防として、厚生労働省「認知症予防・支援マニュアル」を始め、生活習慣の重要性が強調されています。同マニュアル作成に携わった、東京大学高齢社会総合研究機構の矢冨直美氏らにより、認知症予防の意識向上と認知症になりにくい生活習慣を身につけることを目的とした『地域型認知症予防プログラム』が提唱されています。

認知症予防を実現するには、認知症予防につながるとされる「運動」「食生活」「知的活動」「人とのつながり」の行動を長期にわたり習慣化することが不可欠です。

また、認知症ならびに予防に関する情報はたくさんのメディアを通じて伝えられていますが、どのように日常生活の中に取り入れ、習慣化するかまでは語られることはなく、単なる知識として人々のなかにとどまっているのが現状ではないかと考えています。

 

高齢社会の要である人材育成

人材育成こそが、これからの高齢社会の要となると、わたくしどもは考えています。

高齢社会を迎える日本にとって、認知症予防をはじめとするヘルスケアの普及は、高齢社会が抱える社会問題の大きな切り札になり得ます。

たくさんの情報の中から、その人にとって必要な情報だけを見極めて発信し、その人には実際に行動変容を起こしてもらい、習慣形成するまでの流れが必要です。

これらの流れには、人々が暮らす地域に根ざしながら、適切な情報を提供し、技術的にも人的にも支援する役割を担える、いわば教育者の存在が不可欠です。

人々がいつまでも元気に豊かに暮らせる地域社会の担い手として、充分な知識とスキルを身につけた人材の育成を目的に、一般社団法人認知症協会を設立いたしました。

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