進みゆく超高齢社会に求められるもの
なぜ今、認知症予防が必要なのか?
高齢者の5人に1人が認知症患者という日本の将来
厚生労働省の推計によると、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、認知症発症者数は730万人になる見込みです。
65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症ということになります。
増えゆく認知症発症者に伴い、医療や介護を含む社会保障費が増⼤の⼀途をたどり、深刻化する認知症問題とあわせて、国家レベルの社会課題となっています。
国家戦略としての認知症予防
政府の認知症対策を国家戦略にするとした表明を受けて、2015年1⽉に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」が発表されました。
従来の認知症ケア中心から、認知症予防にも力点が置かれる転換点となりました。
認知症の発症時期を5年遅らせることができれば、全体の認知症発症者は半減するという試算が出ており、認知症予防の重要性が増しています。
また、75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際は、認知機能検査が義務づけられています。
2017年3月に施行された改正道路交通法により、認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定されると、臨時適性検査(専門医の診断)を受けるか、認知症専門医などによる診断書の提出が必要となりました。
その診断の結果、認知症であることが判明したときは、免許の取消しまたは停止の対象になります。
このような背景を受けて、国民意識の中にも認知症予防への関心が高まっています。
認知症予防における課題
認知症問題の解決の鍵は「人」
認知症予防は重要と認識されていますが、現状は、
- 科学的研究の成果の情報が、認知症予防の対象者まで行き届いていない
- 玉石混交の情報が氾濫し、具体的に何をすべきかの判断できない
- 情報を入手しても、実践まで至っていない
という課題がまだまだ残っています。
こうした課題を解決しながら、さらに増え続ける認知症発症者を抑制するために、対象者に認知症予防をわかりやすく伝え、理解を実践に変え、それを習慣化まで導いていく人材が求められています。
認知症予防活動支援士とは
地域に密着して認知症予防活動を支援する専門家
認知症予防活動支援士とは、地域に認知症予防の啓蒙を行い、対象とする人の予防活動の実践と習慣化を支援する、認知症予防の専門家(プロフェッショナル)のことです。
資格取得のために、まずは認定講座で「認知症予防」に関する理解を深めていきます。具体的には、認知症という症状とその原因について正しく理解し、対象者の生活習慣全般について適切な予防指導を行えるよう、専門知識を習得していただきます。
なお認定講座は、ご自身の勉学やスキルアップ、ご家族の介護に活かすために学びたい(資格は必要としない )方でもご受講いただくことができます。