はじめに
それでは始めさせていただきます。お集まりの皆さま、そして、この映像を見ていただいている皆さま、ありがとうございます。認知症協会の山根です。本日はよろしくお願いします。
最初に、知っておくべき驚きの事実からお伝えします。厚生労働省の発表によると2040年には65歳以上の7人に1人が認知症になると推計されております。また、認知症予備軍ですね。予備軍の方も含めると65歳以上の3人に1人が、毎日の生活で、あれ、何かおかしいなと感じているということになります。3人に1人ですので、皆さん、周りのご家族とかご友人にも高い確率で当てはまってしまうということになります。
そんな認知症なんですけれども、ご存じの通り、認知症というのは病気の名前ではありません。症状の名前です。脳の血管が詰まったり、出血したりして脳の細胞にダメージを与えても起こります。感染症でも起こります。脱水を起こしても認知症になることがあります。アルコールの飲み過ぎ、それから向精神薬のようなお薬でも認知症になる可能性があります。
脳細胞に影響を与えるものはすべて認知症につながる可能性を秘めておりますが、その中でも認知症を引き起こす最大の原因というのが、神経変性疾患であるアルツハイマー病なんですね。大体認知症の約7割はアルツハイマー型認知症です。そして、この割合はこれからも増えていくと予想されております。そしてさらに、その他の認知症と合併するというのもアルツハイマー病の特徴であります。つまりですね、皆さんが今回予防したい、認知症を改善したい、認知症で一番多いのはアルツハイマー病だということになります。というわけで、今回は認知症といいましたらですね、特にアルツハイマー型認知症のことを指すということで進めさせていただきます。認知症は怖い病気だということは皆さん身に染みてお分かりだと思います。そんな認知症引き起こす最大の原因はアルツハイマー病なんです。
ただ、そのアルツハイマー病なんですけれども、予防そして改善が可能だということが分かってまいりました。つまりですね、認知症を克服する方法があるということです。自分や大切な家族、ご友人が認知症にならないために、また、これ以上認知症の症状によって皆さんが悲しまないように、今すぐできることがあるとしたらどうでしょう、ということですね。皆さんはここに自分自身、そして大切な人達を守るために、この方法を求めて今日来ていただいていると思います。今回は、今日は具体的な方法ですね、お伝えします。実際にですね、今までご相談いただいた多くの方がその方法をお伝えして実践していただくことで、認知機能の向上と、それから体調の良さというのを感じておられます。今日の内容は必ず覚えておいてほしいことばかりですので、ぜひ最後まで聞いていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ということで、今日のゴールですね。本日のゴール、目標をお伝えします。まず認知症は予防できる症状であるという理由をしっかり知っていただくということです。認知症というのは、長い間不治の病と言われておりました。現在もそう思われております。ただ、認知症は予防も改善もできるということが分かってきました。その理由を今日は知っていただくということです。そして認知症を予防・改善するにはどうすればいいのか、何をすればいいのか。その具体的な答えというのがもう既に出ています。これからその答えを一気にお伝えしますので、それをしっかり学んでいただきます。最後に学んだ内容を具体的に自分の生活に落とし込んでイメージしていただきます。そして今日から早速行動に移していただくというのを本日のゴールとさせていただきます。
なぜ認知症は予防・改善が可能なのか?
不治の病である認知症が本当に予防できるのか、改善できるのか。それができるんですね。なぜなら、認知症、特にアルツハイマー病ですけれども、アルツハイマー病の本当の原因が分かってきたからです。じゃあ、その原因って何だろうということなんですけれども、その前にアルツハイマー病患者さんの脳を覗いてみます。
このイラストはちょっと分かりやすく大げさに描いておりますけれども、向かって右側がアルツハイマー病の方の脳で、左側がアルツハイマー病ではない方の脳です。まず右側の脳が委縮して縮んでいるのが分かります。で、この脳の萎縮っていうのは年齢を重ねると、ほぼ誰でも起こります。脳が委縮しているから、縮んでいるからといって認知症を発症するわけではありません。そして脳の中を見てみると、ちょっと黒っぽく描かれております。この斑点、黒っぽい斑点が見えますけども、この斑点は老人斑とか脳のシミとか言われますけれども、この正体がアミロイドベータというタンパク質が集まって固まってしまったものです。
アミロイドベータ聞いたことがありますよね。このアミロイドベータがたくさん出て、脳のあちこちに溜まることで脳の神経細胞を壊して、障害して、細胞を死滅させているのではないか。年齢とともに脳が縮んでいくのとはまた別に、このアミロイドベータも脳を小さくしてしまう原因ではないかと考えられています。つまりアルツハイマー病の本当の原因は、このアミロイドベータが溜まることというのが現在一番有力な説です。
じゃあアルツハイマー病というのは簡単に治るんじゃないかなと思いますよね。だってアミロイドベータを取り除けばいいんですから。アミロイドベータさえなくせば認知機能は元に戻るんじゃないだろうかということで、実は長い間研究は行われてきたんです。そして実際にアミロイドベータを減らすための薬というのは、色々と完成しました。色々作られてきています。その多くがですね、抗体を使ったものです。アミロイドベータに対して薬を抗体としてくっつけて、それを目印に免疫細胞に食べてもらう、と。アミドベータを食べてもらう。そしてアミロベータを減らすという仕組みです。
今までにたくさんのお薬が実際に作られました。ちなみに現在も新しいものが作られ続けております。そして今までの結果がどうだったかと言いますと、ほとんどがミロイドベータを実際に減らすことができました。ただ、減らすことはできたんですけれども、認知機能の低下を防ぐことはできなかったという結果に終わっていたんですね。つまり効果がなかったということなんです。それがやっと2023年にですね、アミロイドベータを減らすことで認知症の進行を遅らせると確認されたお薬が発売されました。
それがレケンビですね。レカネマブ。商品名レケンビです。
新薬レカネマブの承認が意味するもの
ちなみに、このレカネマブは点滴のお薬です。一回の投与に1時間ほどかかります。これを2週間に1回行います。投与期間は最大で18か月。36回点滴することになります。で、その間も、その後も定期的にMRIなどの検査が必要となります。これで症状をですね、約27%、期間にして7か月半相当遅らせることができるとしております。認知症の症状というのは、年齢が上がれば上がるほど進行が緩やかになりやすいので、進行をいかに遅らせるかというのはとても大事です。1か月でも1週間でも進行を遅らせたいんです。お薬によってアミロイドベータを減らすことで認知症の進行を抑えることができた。これは認知症に対抗する手段としては大きな進歩です。
そして、この結果はもう一つ大きな意味を持ちます。それはアミロイドベータが認知症を引き起こす大きな原因だったんだと、そういうことが確認されたということなんですね。今まではアミロイドベータが何か悪さをしているなとは考えられていたんですけれども、確信がなかったんです。ですけれども、レカネマブが承認されたことでアミロイドベータがアルツハイマー病の原因だったんだと認められたということになります。
じゃあこれで一安心、認知症はもう怖い病気じゃなくなったんだ、ということには残念ながらなっていないですよね。このレカネマブなんですけれども、投与できる方に制限があります。それはアルツハイマー型認知症になる手前の方、つまり軽度認知障害(MCI)の方とアルツハイマー病の初期の方だけです。そして認知症の進行を遅らせますが、完治させる薬ではないとされています。つまり現在のところ、アミロイドベータは除去しても認知症は治らないと言えてしまうんです。
ではアミロイドベータがどうやら悪さをしているのに取り除いても治ることはない。これをどう考えるかっていうと、まず、既にアミロイドベータが脳の細胞にダメージを与えていることが考えられますよね。脳細胞は一度なくなってしまったら二度と元には戻ることはないとされています。アミロイドベータがダメージを与えた後に取り除いてもダメージは残るということです。でも思い出してくださいね。レカネマブが使える人は認知症になったばかりの方や認知症になる手前の方です。まだアミロイドベータがそんなに溜まっていないような初期なのに、それでも治すことはできない。なぜかというと、実はアミロイドベータっていうのは認知症なんて夢にも思わない、物忘れすらないというような頃から溜まり始めているからなんです。
具体的にどれくらい前かですけれども、これはダイアン研究という有名な研究で分かってきました。それによるとアミロイドベータっていうのは、認知症の発症の25年ほど前からひっそりと溜まり始めているということなんです。そんな昔から認知症の種が育っているなんてびっくりしますよね。ですけれども、だからこそ予防が大事ということになってくるわけです。
アルツハイマー病の根本原因を断つリコード法
では認知症予防とはつまり何か。それはアミロイドベータができるだけ溜まらないようにするということになります。作られ過ぎないようにすること。アミロイドベータというのは体に良い働きも実はあるんですけれども、多く作られ過ぎたら逆に脳細胞を攻撃していきます。アミロイドベータを作られにくくして、作られたら速やかに分解して流してしまうようにすることが認知症予防になるということです。そんな方法があるんでしょうか。
実はですね、その方法こそが皆さんにお伝えしたいものです。その方法を研究して報告された方がいらっしゃいます。それがアメリカのデール・ブレデセン博士ですね。ブレデセン博士はアミロイドベータが作られる原因を徹底的に調べて、そこからアルツハイマー病を治療するためのプログラムを作られました。それがリコード法というものです。イラストで例えるなら、今までの考え方が左側、原因そのものを取り除けばいいというもので、リコード法は右側ですね。
アミロイドベータができる根本原因を断つ。元栓を閉めるということですので、どっちが効果がありそうかといえば、元栓を閉める方ですよね。では実際この方法が、どの程度の結果をもたらすのか気になりますよね。こちらは2021年に発表された論文の結果をまとめたものです。
研究の参加者の方たちは初期のアルツハイマー病、MCI軽度認知障害、SCI主観的認知障害の方々255名です。そして、これらのうち約70%はアルツハイマー病のリスク遺伝子であるAPOE4という遺伝子を少なくとも一つ以上持っていたということです。参加した人たちは、医師やコーチ、ヘルスコーチのサポートを受けながら1年間リコード法のプログラムを実践されました。その結果どうなったかというと、治療を受けた方の51%が認知機能が改善して、23%が低下がストップ、ノーチェンジって書いてありますけれども、低下がストップして、26%が引き続き認知機能が低下したということです。つまり74%の方が認知症が向上または安定したということで、このリコード法が認知症の予防や改善に有効だということになっています。残りの26%の方も、1年では時間が短くて、もっと長く実践することで改善する可能性があると考察されています。
他にもあります。これは2022年に発表された論文です。
この研究の参加者の方たちは全員がMCI軽度認知障害、または初期の認知症の50歳から76歳までの25名の方です。先程より人数は少ないですけれども、より症状が深刻な方々を集めたということになります。その方たちにリコード法を実践すると、なんと84%の方が認知機能テストで改善が見られたということです。4%が悪化しなかったということも踏まえるとですね、ブレデセン博士はリコード法で早期のアルツハイマー病患者さんの8割以上を改善に導いておられるということになります。これはですね、今までのお薬も含めて認知症に対する薬の研究とか、そういったものの研究結果すべてとも比べものならないくらい良いです。良い結果です。しかも、その研究の対象っていうのは、先程も言いましたけれども、認知機能の低下がある方です。
これが、さらにその前から、認知機能の低下が起こる前から予防的にリコード法を行っていたらどうなると思いますか? そうですよね。認知症の症状がどんどん遠ざかることが予想できますよね。そういうことなんです。はい。皆さまね、リコード法を習ってやってみたいと思いますよね。じゃあリコード法がどんな内容かということです。では次に、その具体的な内容のお話に移っていきます。
アミロイドベータが作られすぎる原因は毎日の生活習慣にある
じゃあ皆さんに質問です。認知症の原因であるアミロイドベータができやすくなる要因っていうのはいくつあるでしょう? ブレデセン博士によると、アミロイドベータを作る要因というのは少なくとも36個はあるということです。結構多いですよね、36個。でも、これで驚いてはいけません。アミロイドベータが作られて認知症になる要因は36個以上ありまして、この36個の要因にもそれぞれ関係する要因がたくさんあるんです。ですから、その一つ一つの業因がどれだけ影響しているのか、人によって違いが出てくるわけですね。リコード法っていうのは、この一人一人の一つ一つの要因を徹底的に洗い出して、少しずつ最適化して改善していくという方法なんです。すごいですよね。
認知症につながる要因というのはたくさんあります。ですから、一つの薬でどうこうできる問題ではないんです。人によって違うということは、あなたに合った方法を自分で行っていかないといけないということになります。ただ、こうお話すると、とても複雑な内容のように思いますけれども、私が推奨しているのは、このリコード法の中でも特にほとんどの方が守るべきポイントを抑えた生活をするということです。
実はアミロイドベータができる原因のほとんどは生活習慣の積み重ねの中にあります。ですから、その原因を作らないような生活をすればいいと簡単に考えてみてください。もう一度言いますけれども、アミロイドベータが溜まる根本原因は毎日の生活習慣にあります。その生活習慣で何を気をつけるべきか理解して、それを実践していただくことで認知症を予防していこうというわけなんですね。
さて、生活習慣を見直すことで認知症予防しよう、改善しよう。そうなんです。当たり前のような気もしますし、それでいいのかとちょっと疑わしい気もしますよね。では、もう一つ大事な資料をお見せします。これはですね、2020年に有名な医学雑誌であるランセットで発表された認知症に近づく12のリスク因子です。少し字が小さいですけれども、教育不足それから聴覚障害、外傷性脳損傷、高血圧、アルコールの飲み過ぎ、肥満、たばこ、うつ病、孤立や孤独感、大気汚染、運動不足、糖尿病とあります。これはですね、ブレデセン博士とかリコード法とか関係なく、今までですね、今まで調べられてきた事実から導き出されたものです。
もう一度よく見てみますと、低学歴、これは小学校までの教育と発表されておりますので、日本ではクリアされていると思います。ただ、これは低学歴が問題というよりは学習意欲が重要だと考えております。聴覚障害、これはですね、耳からの刺激っていうのはとても大事です。聞こえないということは、やはり孤立感にもつながりますので、悪いことばかりが頭の中をぐるぐる回りやすくなりますので、うつ病にもなりやすいです。外傷性脳損傷というのは脳に強い衝撃があって、物理的に脳細胞が傷つけられることです。アルコールの飲みすぎとかね、肥満、高血圧、糖尿病というのは、まさに生活習慣病ですよね。喫煙にうつ病や孤立などのストレス、運動不足、これはすべて予防可能なものですよね。大気汚染という防ぎようがないものもありますけれども、明らかに大気が悪いところには近づかない、避けるということができます。
つまり、この12のリスク因子は予防可能なんです。そして、このリスク因子をすべて予防できれば40%ですね、40%認知症リスクを減らせると言われています。認知症を予防するためにリスクを減らすということは基本ですので、こうしたリスク因子に心当たりがあるよという方は、まず対策をしないといけないわけです。ですが、これらのリスク因子への対策というのもリコード法を基本とした生活習慣の改善方法にすべて盛り込まれているんです。つまりは毎日の生活にこれをおさえたらいいという答えが出ているんですね。では今からその答えについてお話ししていきますね。
では少し前のスライドに戻りますけれども、認知症予防とは、つまりアミロイドベータが作られ過ぎないようにすること、そしてアミロイドベータを分解しやすく、流しやすくして、溜まらないようにすることでした。まずアミロイドベータを作られ過ぎないようにすること、これが一番重要です。原因の大元であるアミロイドベータが作られないようにするのが一番いいですよね。ここを作られないようにするではなくて、作られ過ぎないようにするとしたのは、アミロイドベータには体に良い作用もあるからです。例えば細胞を取り込んで殺したりね、やっつけてくれたり、毒素と結合して無毒化したりとかしてくれています。ただ、慢性的にずっとアミロイドベータが分解されないようになってしまうと、正常な神経細胞まで攻撃してしまって、神経細胞をダメにしてしまうということなんです。つまりはアミロイドベータは作られ過ぎないことが良くなります。
アミロイドベータは誰でもできています。体の中でできます。でも多くの方はそれが問題にはなりません。アミロイドベータというのは普段は異物に対して毒性を発揮して倒してくれてますけれども、その異物が大きくなったら、多くなったら、正常の細胞まで壊してしまう、と。ですので、アミロイドベータが作られ過ぎないということが大切です。
ではアミロイドベータが作られるのはどういう時か。それは大きく3つを覚えておいてください。まずは炎症が長く続いた時、そして脳細胞の栄養不足が起こった時、そして毒素に長時間さらされた時、この3つの時にアミロイドベータができやすいと考えてください。では一つずつ見ていきますね。
アルツハイマー病を引き寄せる3大要因「炎症・栄養不足・毒素」
まず炎症が長引いた時、長く続いた時、これはいわゆる慢性炎症です。炎症というのは小さいものは常にどこかしらで起こっております。大きいものだと赤く腫れたり、痛みがあったりしますけれども、日にち薬で治っていくものでしたら、そんなに気にしなくてもいいです。ここで問題となるのは、気が付かない程度の小ささで、それでも脳に影響を与える、じわっと長く続いているような炎症のことです。その炎症を起こす主な原因というのが食事とストレスと睡眠不足です。ストレスと睡眠不足が炎症を起こすというのは、何となく感じたことがあると思います。ストレスで頭が痛いとか痒いとか、ボーっとするとか、症状が出る方もいらっしゃいますよね。症状はなくてもストレスを感じると、ストレスだという風に脳が認識すると、頭の中で炎症が発生することが分かっています。
食事由来の炎症っていうのは思い浮かびますか?思い浮かびますかね。いかがでしょうか? これは腸にダメージを与えるような食事と血糖値を急激に上げるような食事、それと毒素を含んでいるような食事が該当します。腸にダメージを与えることと炎症が結びつきづらいと思いますけれども、簡単にいうと、食べ物が腸の壁を壊してしまうということが結構あるんですね。腸の壁が薄くなってしまう、緩くなってしまうと本当は入ってはいけないものが体の中に入ってきます。そうなると体はそれを異物だと認識して攻撃を加えて炎症を起こします。
じゃあ腸にダメージを与えるのはどんなものかというと、小麦とか乳製品、トランス脂肪酸とかありますよね。小麦ってね、パンや麺類、お菓子で、毎日食べています。カルシウム補給で牛乳を毎日飲んでいます、チーズ食べていますという方も多いと思いますけれども、実は小麦とか牛乳やトランス脂肪酸は腸にダメージを与えてしまう食事ですので、摂り過ぎないことが正解なんですね。
次に、血糖値を急激に上げるものは白米や菓子パン、麺類や砂糖などがあります。血糖値が急激に上がると血液中には糖が溢れていることになります。その症状が長く続きますと、もちろん糖尿病にも近づきますし、体の中で糖とタンパク質が糖化反応を起こして、AGEという、これまた異物が作られてしまいます。こうした異物が作られると体は敵だと見なして炎症を起こしていくんですね。
ちなみに、このAGEというのは体中どこでも悪さをします。アルツハイマー病の脳のシミにもAGEが溜まっていることが確認されていますし、レビー小体にもAGEは溜まっています。血管も傷つけますので細胞も傷つきます。なので、発ガン性があるものが多いです。AGEをね、あまり作りたくない。恐ろしいものなんだと覚えておいてください。
そして毒素を含んでいるもの、これはひじきとかね、添加物、農薬などあります。いきなりひじきって具体的に出ていますけれども、ひじきにはヒ素が多いんですね。ヒ素が多く含まれている。海藻です。海藻にはヒ素が多かれ少なかれ全部入っているんですけれども、ひじきだけ飛び抜けて多いんです。ですから、ひじきは避けた方がいいということになります。
マグロも書いてありますね。マグロも大型の魚ですので、マグロのような大型の魚には水銀が多く溜まります。特にですね、トロのような脂身に水銀が溜まりやすいですので、食べ過ぎには注意してください。ヒ素も水銀も認知症との関連が報告されています。リスクとなります。
そして添加物とか農薬ですね。添加物には保存料とか着色料とか発色剤とか色々あります。農薬っていうのは野菜をしっかり収穫するために使われるのもそうですけれども、輸入された果物とか小麦にも使われています。で、またですね、牛や豚や鶏が食べる餌の農薬も関係してきます。添加物や農薬の多くというのは化学物質ですよね。こうした化学物質は本来は体の中にないものですので、もちろん異物となります。こういったものも炎症を起こす原因となります。
ではアミロイドベータが作られる2つ目ですね。脳細胞の栄養不足が起こった時です。これなんですけれども、脳細胞も細胞ですので栄養不足になるとだんだんと機能しなくなります。機能しないと、この細胞は必要じゃないという風に認識されて減らされていきます。脳細胞の栄養というのは色々あって、例えば脳そのものを作っているような栄養、脳の材料となる栄養があります。脳は水分を除けば60%が脂質で、40%がタンパク質でできています。ですので、それだけ脂質というのは大事ですし、タンパク質が不足してもダメです。ビタミンやミネラルっていうのも細胞の活動には欠かせません。もしですね、サプリメントを一つだけ選んで飲むとしたら、マルチビタミン、マルチミネラルのサプリメントをまずおすすめしたいぐらい基礎的な栄養素は大事です。
そして脳細胞の機能が保たれた上で、さらに脳細胞を守るような栄養ですね。守るような栄養。脳細胞を攻撃するものの代表に活性酸素がありますので、ポリフェノールとか、そういった抗酸化物質というのは有効です。またオメガ3脂肪酸ですね。DHAと言った方が分かりやすいと思いますけれども、こういったものも脳の機能を守ってくれます。
そして、さらに脳を成長させるための栄養っていうのもあります。脳由来神経栄養因子やホルモンなどがそれにあたりますけれども、こういったものは食事以外にですね、運動とか睡眠によるところが大きくなっていきます。こういった栄養、特に脳を作る栄養とか脳の機能を守る栄養が不足していると、脳は栄養不足となって、アミロイドベータを出して、壊されるということになります。
ではアミロイドベータが作られる時、3つ目ですね。毒素に長時間さらされた時です。毒素というのは体の中にあればもちろん異物ですので炎症を起こします。脳に迫るとアミロイドベータを作って脳を守ろうとしますけれども、長い間、つまりずっと毒素がある状態だと、アミロイドベータは作られ過ぎて脳細胞を壊していきます。では毒素というのはどういったものがあるか。これはたくさんありますし、どこにでもあります。ある意味、この毒素を防ぐということは一番難しい課題になると思います。
毒素には例えばウイルスとかね、カビとか細菌が出す毒素というのもあります。ちなみ口の中の歯周病菌がアルツハイマー病の方の脳で見つかっております。歯周病菌も炎症の原因ですので、歯科検診はとても大事です。他にも先程出てきました水銀とかヒ素、カドミウムとかアルミニウム、金属ですね。そして化学物質ね。PM2.5に含まれているLPSとか、今話題の車の排気ガスとか、それから最近ではマイクロプラスチックなんかも血管障害を引き起こすと報道されました。こういったものをできるだけ体の中に入れない。もしくは体に入ったら、すぐに解毒して排出するということを考える必要があります。
はい。ちょっとややこしくなってきましたね。では、ここでちょっとおさらいしましょう。認知症予防というのは、まずアミロイドベータが作られ過ぎないようにすることでした。アミロイドベータが作られる時は炎症が長く続く時、栄養不足が起こった時、毒素にさらされた時でしたので、炎症対策、栄養不足対策、毒素対策が大事だということでしたね。炎症は食べ物、ストレス、睡眠不足が大きく関係しておりました。栄養不足は脳を作る栄養、守る栄養、育てる栄養っていうのが必要でした。毒素は生物毒素、金属毒素、化学物質とか、ありとあらゆる物質が脳に影響する可能性がありました。こういった点を日常生活に落とし込んで考えていくことが認知症予防ということなんです。
アミロイドベータが溜まらないようにするために
そして認知症予防に大事なもう一つなんですけど、アミロイドベータを分解しやすくして、流しやすくして、溜まらないようにすることです。じゃあアミロイドベータって、どうやって分解されるのかですけれども、これですね、実はインスリンを分解する酵素で分解されます。インスリンって聞いたことがありますよね。血糖値を下げてくれる唯一のホルモンです。血糖値がどんどん上がると、それに反応して膵臓からインスリンが出ます。そして血液中のブドウ糖をどんどん細胞の中に押し込んで減らして血糖値を下げてくれます。ただ、インスリンがそのまま血液中にあるっていう状態だと、どんどん血糖値が下がっていきますので、ブドウ糖を押し込んで下がってきますので、インスリンが分解されないといけません。そのインスリンを分解してくれる酵素っていうのは実はアミロイドベータも分解している酵素ということなんです。
となると、じゃあ何に気をつけなければいけないのか? それはインスリンが多く出過ぎるような状況を避けないといけませんよね。なぜかというと、インスリンが出過ぎていたり、インスリンがずっと出続けていると、そっちばっかりに分解酵素が使われてしまってアミロイドベータを分解してくれないからです。じゃあインスリンが出過ぎないように、出続けないようにするにはどうしたらいいのか分かりますよね。血糖値を上げなければいいんです。特に血糖値を急激に上げない。急激にですね。急激に上げないっていうことが大事なんです。
じゃあ次に、アミロイドベータを流しやすくするにはどうしたらいいのかですけれども、これはずばり、ぐっすり寝ることなんですね。アミロイドベータは脳の中の脳脊髄液で老廃物として流されていますけれども、ぐっすり寝ている時には、この速さが2倍になるんですね。ぐっすり寝る時っていうのは眠りについてから一番最初の深い眠りのことです。寝てから4時間までの睡眠ですね。ここをしっかり意識して脳でこのアミロイドベータを流す作業をしっかりやるっていうのが大事です。そのためには食べてすぐ寝るとか、寝る前にスマホを見るとか、お酒を飲んでそのまま寝ちゃうとか、そういう睡眠に集中できないような状態で寝るっていうのはアミロイドベータが流されにくくなって溜まりやすくなってしまうということなんです。
はい。どうでしょうか。だんだん認知症を予防・改善するために考えるべきことというのが分かってきましたよね。
認知症を予防、改善するための7つの視点
では次です。以上を踏まえて、生活習慣の何に気をつけていけばいいのか。これは認知症を予防したいと思ったらまず考えるべきことでもありますし、認知症の初期もしくは軽度認知障害で、もし万が一皆さんが「最近物忘れがひどくなった気がする」ということで病院に行ったりとかしてね、「認知症じゃないですよ」「ちょっと手前かもしれませんね」みたいな感じで言われてしまって、薬を飲むほどじゃないけど、生活習慣を見直していきましょうねって言われたら、じゃあ何をすべきかの答えにもなっています。
生活習慣の改善というのは本当に細かくありますけれども、見直すポイントをまとめると次の7つになります。それがこちらですね。食事、栄養、毒素、睡眠、ストレス、運動、脳への刺激。
まず、この7つの視点で生活を見直してください。先にお伝えしますけれども、これからそれぞれのポイントについてたくさん見直すところが出てきます。ですけれども、すべてを完璧にする必要はないです。完璧にしようと思わなくて結構です。そもそも完璧が無理だと思っていただいて結構です。ただ、この項目っていうのは完璧じゃなくても、全部の項目を意識してください。食事だけ気をつける、ちゃんと寝てるから他は考えなくても大丈夫ではなくて、すべての項目で6割以上を目指すという気持ちで取り組んでください。では、それぞれの見直す点ですね。どう改善していくか、これから説明していきます。とても内容が多いですので、特に大事なところを確認していきますね。
まず食事です。食事が一番大事です。なぜでしょうか。体は食べたものでできていますよね。脳もそうです。今の脳は今まで食べたもので、食べてきたものでできています。今日食べたもので明日の脳が作られると言ってもいいでしょう。大きく言えば、口から入るものはすべて脳に影響を与える可能性があると思ってください。そして、もう一つ大事なことは、食事は3つの脅威すべてに関わるということです。3つの脅威覚えていますか? 炎症、栄養不足、毒素、そのすべてに食事は関係します。食事の内容によって腸にダメージを与えて炎症を起こすものがありました。血糖値を急激に上げるのも食事です。食事からの栄養が不足すれば脳の機能は正常に働きませんよね。それから食事から水銀とかね、ヒ素とか農薬とか毒物を摂ることになりますよね。毎日の食事っていうのは、まず最適化しなければいけません。
では、どういうふうに最適化していくのか。まずは食べてもいいものと食べてはいけないものに分けるところから始めます。初めにお伝えしますが、すべての食べ物には良いところと悪いところがあります。例えばですね、牛乳はカルシウム補給にお手軽ではありますけれども、腸にダメージを与える可能性があります。例えばゴマはビタミンとか豊富で抗酸化作用も高いですけれども、ゴマ油っていうのは摂りすぎると炎症を起こしやすくする油です。一つの食材でもいいところと悪いところがあって、それを天秤にかけてメリットが大きいものは食べてもいいし、デメリットが大きいものは控えるべきです。ちなみに、その天秤も人によってちょっと違います、で、食べてはいけないものっていうのはデメリットが多い食べ物ということになります。
そして食事をとる時間とかね、食べ方も考えていきます。食事の間隔を考えることはとても大事です。食事の間隔を考えることによって脳の機能を助けることができます。また食事の食べ方によって血糖値をコントロールできますし、脳に刺激を与えることもできます。ここまで考えることができたら素晴らしいですよね。
腸にダメージを与えるような食品をまず避ける
では食べてはいけないものは何かということですけれども、これは最初の方のスライドにもありました。脳にダメージを与えるもの、血糖値を急激に上げるもの、毒物として働くものです。腸にダメージを与えると炎症を起こしやすくなります。この腸のダメージというのを対策するにはどうしたらいいかですけれども、まず原因を避けることです。そして腸のダメージを修復することです。そして腸内環境を良好にして腸を強くすることです。では腸にダメージを与えるような具体的な食物のほんの一例を挙げますけれども、これは主に小麦を使った食品です。こういったものは避けるべきものになります。
小麦の何が悪いかというと、小麦の中のグルテンというタンパク質が良くないんです。ですから、小麦を使っていない麺、例えば大豆麺とか十割そばとか米麺とか、そういうものに変えていただくのがいいです。天ぷら好きな方は多いですよね。天ぷらは小麦粉をつけて、さらに高温にしてますので、AGEも発生します。天ぷらが好き。かなりの頻度でご質問いただきますけれども、そのような方は食べるなとは言いませんので、新鮮な油を使っていただいて、衣は薄くサッと揚げていただいて、そして出来立てを食べるということを意識してください。明日の朝ごはんにしようとか、明日の弁当に入れようとか、そういうことは考えないでくださいね。その場で食べる。それぐらいでお願いします。
で、ビールありますね。ビールは大麦ですよね。大麦ですので、大麦はいいんですけれども、アルコールがやっぱり良くないですね。脳にも良くないですし、腸にも良くない。アルコールはできるだけ控えていただくっていうのが正解です。あと食パンですね。食パンというのは、もちろんパンなので良くないんですけれども、食パンというのは実は添加物がめちゃくちゃ多い。とても多いですね。なので、食パンというのを例えばスーパーで見かけて、裏の成分表示を見たら、ものすごい添加物で驚くことがあります。特にショートニングとかマーガリンとか、そういったものにはトランス脂肪酸が多く含まれていますので、要注意になります。これがさらに菓子パンとかになるとジャムとかが入っていますので、血糖値が急激に上がることになりますので、さらに良くないです。スーパーに行くと一番分かりやすいところに菓子パンを置いていますよね。罠ですから引っかからないようにしてください。さらに揚げパンとかね、ドーナツ。さらにAEGが発生しますので、危険な食べ物と言えますよね。どうしてもっていう時だけにしてくださいね。こういった腸にダメージを与えるようなものをまず避けるっていうのがまずは大事。
そういっても、たまにはね、食べてしまったり、お土産でもらったり、お孫さんと一緒に食べようとか、そういったこと、色々ありますよね。他にも乳製品のタンパク質も腸にダメージを与える可能性があります。牛乳を毎日飲んでいるという方は腸に害の少ないA2ミルク、タンパク質の種類がちょっと違うA2ミルクというものに変えていただくというのをおすすめします。チーズやヨーグルトもおすすめの食材ではありませんので、ほどほどにしていただきたいと思います。
まあ、そうは言っても、これも食べる時はありますよね。完全にやめないといけないと思わなくてもいいので、減らそうとまずは思ってください。毎日の朝ごはんはパンだっていう方もいらっしゃいますけど、まずは週4日は和食に、ご飯に変えてみてください。そして食べてしまった時のために、ダメージを修復するということを考えます。
腸のダメージを修復する”プロバイオティクス”と”プレバイオティクス”
ではダメージを修復するにはどうしたらいいか。何を考えるべきか。もちろん腸の壁も細胞ですので、細胞が働くための基礎的な栄養素が不足していないことは前提になります。その上で腸のダメージを修復するにはゼラチンとかコラーゲンというのが有効なんです。これはですね、スープを食事に取り入れることで解決します。腸を癒すスープとしてボーンブロスっていうのがあります。ただ、ボーンブロスってあまりなじみがないですよね。
ボーンブロスですけれど、これはなんてこともない。骨ごと肉と野菜を煮込んだスープですね。
日本語でこのスープを意味する言葉がないんですよね。出汁ともちょっと違うのかな。ちなみにですね、ブロスとブイヨンは一緒です。英語読みかヨーロッパ読みかですので、骨付き肉を煮出したブイヨンのことです。これは世界的にも健康に良いとされているスープに多くみられます。例えばサムゲタンとかテールスープとか、食べたことありますよね。もっと食べたことがあるのはスッポン鍋とか、あら汁とか、こういったものもコラーゲンがたっぷりで腸を癒してくれます。あと骨付き肉を煮込んだ料理といってラーメンを思い浮かべる方もいますよね。そうですよね。ラーメンのスープって骨付き肉、鶏ガラで煮込んでいますよね。ですから、ラーメンのスープも実は腸にいいこともあるんです。ただ、塩分が多いですし、麺が小麦ですし、動物性脂肪が多いですので、天秤にかけて、あまりおすすめはしないという食品になります。例えばベトナム料理のフォーありますけれども、良いですよね。米麺で、あっさりスープで、おすすめです。野菜も多い。脱線しましたけれども、腸を癒すのには骨付き肉と玉ねぎとか人参、ネギなどと一緒に煮込んだスープを飲む。魚のアラを入れて味噌汁を作る。こうした習慣もぜひ取り入れてください。最近ではオーガニックボーンブロススープの素というような、粉末でお湯に溶かすだけの商品もあるそうなので、そういったものを料理に使うのもいいです。これは教えていただきました。
では腸のダメージを修復しましたので、次に腸内環境を整えることを考えます。腸内環境というのはとても大切です。腸の中の環境というのは脳に影響するということが常識となっています。腸の状態を整えるのは認知症予防の基本です。腸の状態というのは、簡単なのは排便で判断することです。排便というのは毎日なくてもいいです。2~3日に1回でもいいですけれども。排便後にスッキリするかどうかで判断してください。それ以上出ないとか、もう便秘気味だとか、下痢気味だという方は腸内環境としっかり向き合ってください。また、膨満感がある人とかね、肌荒れがひどいとか、イライラするとか、気分が乗らないとか、そういう方も腸内細菌が、腸内環境が悪い可能性がありますので、腸内環境を整えるのは、ここでは考え方2つです。2つです。覚えてください。
まずプロバイオティクスですね。これはいわゆる善玉菌を食べて定着させるということです。善玉菌って言ったら、乳酸菌とかビフィズス菌とか納豆菌とか色々ありますけれども、色々な菌種を色々な種類摂る方がいいと言われています。ですので、発酵食品をしっかり摂ることです。納豆、キムチ、味噌汁、糠漬け、塩麹、鰹節、ピクルス、こういったものを意識して摂ることがおすすめです。ちなみに乳酸菌飲料ってありますよね。乳酸菌飲料。商品名は言わないですけど、乳酸菌飲料ってありますよね。特定の働きをする善玉菌をたくさん入れている良さそうな商品ですけれども、ドリンクタイプの乳酸菌飲料っていうのは、どうしても糖分が多くなってしまいます。ですので、毎日飲むにはおすすめではないです。飲むなら食事のデザート感覚で飲むというのをおすすめします。
そして善玉菌を腸に入れたら、それを定着させないといけません。要は善玉菌からちゃんと一定割以上腸の中に居続けないといけません。そのために考えるべきはプレバイオティクスです。善玉菌に餌をあげて育てるということです。これは食物繊維とかオリゴ糖っていうのが腸内細菌のエサになりますので、特にきのこがオススメですね。あとは納豆もそうですし、さつまいもとか里芋、こんにゃく、もずくなんかもいいですね。こういったものを毎日食べて頂くということになります。
血糖値の急激な上昇を防ぐにはどうしたら良いか
では食べてはいけないものの次ですが、血糖値を急激に上げるものです。血糖値というのは血液中のブドウ糖です。ブドウ糖は主に食事の中の糖質から作られますので、糖質全般が該当します。ですが、だからと言って糖質を摂らないようにしましょうとは言いません。むしろきちんと糖質は摂ってください。ある程度制限はするんですけれども、大事なのは血糖値を急激に上げないことです。この視点を大事にしてください。では、なぜ血糖値の急激な上昇がいけないのかですけれども、これはまず糖化反応でAGEができて炎症が起きるからですね。そしてアミロイドベータが分解されにくくなるから、そしてインスリン抵抗性が起こるからです。
糖化反応によってAGEができて、それが炎症を起こすというのは最初にお話ししました。特に脳の中の糖化反応っていうのは認知症発症の40年前から起こっていると言われていますので、皆さんのお子さん、お孫さんも関係してくる問題です。次のアミロイドベータが分解されにくくなるというのも、インスリンとアミロイドベータが同じ分解酵素で分解されるから、インスリンが多かったらアミロイドベータが分解されにくくなる、というお話でしたね。では3番目のインスリン抵抗性が起こるから。これですけれども、インスリン抵抗性というのは簡単にいうと、インスリンに対して反応が鈍くなることです。血糖値が急激に上がると、それを下げるために膵臓からインスリンが一気にたくさん出ます。多く出過ぎると細胞はインスリンに対して反応が鈍くなっていきまして、インスリンが効かなくなるという状況ですから、糖尿病はもちろん近くなりますし、何よりインスリンの脳にいい作用も、それに対する反応も鈍くなってしまうということです。例えば活性酸素を抑制したり、抗炎症作用だったり、血流改善作用だったりですね。インスリンはそういった脳にとって重要な働きをしています。そのインスリンに対して常に反応できる、しっかり反応できる脳であるべきなんですね。
では血糖値の急激な上昇を防ぐにはどうしたら良いか。1つ目は簡単ですよね。血糖値というのは血液中のブドウ糖ですから、糖質を控えればいいということになります。ただ、何度も言いますけれども、完全に糖質を止める、摂らないというのはダメです。良くないです。制限はしても必ず糖質は必要ですので摂ってください。だったらどうやって糖質を摂ればいいのか。まずは空腹時に糖質から食べないということを意識してください。お腹が空いている時に、いきなりご飯から食べてしまうと血糖値が急に上がってしまいます。食事はまずご飯以外から食べてください。ベジファースト聞いたことありますよね。野菜を先に食べなさいというルールですけれども、最近ではベジファーストじゃなくてカーボラストと言われることが多いです。これはですね、最後に炭水化物を摂ってくださいという意味です。つまりは最初の1口目は炭水化物でなければいいのです。ご飯じゃなければいいんです。肉でも魚でも納豆でも卵でもオリーブオイルでも何でもいいんですね。そして食事の終盤になってから糖質、炭水化物を摂るように意識してください。
これはおやつも一緒です。3時のおやつに甘いものを食べる方も多いと思いますけれども、食事をしてから3時間もすれば血糖値というのは普通の状態に戻っていますので、また空腹の状態です。ですので、そこに砂糖を入れると、血糖価がね、急に上がってしまいますので、おやつの前もゆっくりお茶を飲んで、少し糠漬けなどをつまんでからおやつを食べる方がまだマシです。とにかく血糖値が急激に上がらない、そんな食べ方をするということですね。上がらないようにするということですね。これお願いします。例えば、すぐ食べて、ご飯を食べて、すごく眠くなったりですね、だるくなって横になっちゃったり、心臓がドクドクしたりする方というのは血糖値が急激に上がっている可能性があるので注意してください。
また、もう一つレジスタントスターチというのも頭に入れておいてほしいですね。レジスタントスターチというのは糖質なんですけれども、血糖値を上げにくい形に変化している糖質のことです。お米のデンプンというのは、炊くと水分を含んでふっくらしますけれども、吸収されやすいデンプンに変わっています。それが冷えて水分が抜けていくことで消化しにくいデンプン、レジスタントスターチに変わります。レジスタントスターチというのは分解されにくいですので、血糖値を上げる糖質というよりは食物繊維に近い、血糖値を上げにくい食物繊維に近い働きになります。これを利用してください。ご飯は炊き上がったら、保温じゃなくてスイッチを切って、常温で冷ましてから冷蔵庫か冷凍庫で保存する、と。食べる前にレンジでいいですので、レンジで温めてもレジスタントスターチは大部分が残っています。こういう風な食べ方をするのも一つです。
焼き芋がありますよね。焼き芋も出来立ては美味しいですよね。出来立ては美味しいんですけれども、一旦常温で冷まして、冷やし焼き芋を食べていただいた方がいいと思います。そもそも食物繊維の多いサツマイモですので、冷やせば、今流行りの少々甘いサツマイモでも食べてもいいですね。ジャガイモもそうです。ジャガイモ、料理に使うことの多いジャガイモですけれども、おすすめの調理法は蒸してからサラダにすることですね。蒸し料理です。冷やして食べるポテトサラダは他の野菜もいっぱい入れていただいて美味しく食べてください。マヨネーズも選べば食べられるものはあります。もちろん同じジャガイモといってもフライドポテトはダメですよね。避けるべき料理ですよね。
だんだん分かってきましたよね。大丈夫ですか。そして、これ裏技です。ずばり運動することです。どういうことかというと、細かい仕組みは置いておいて、糖質を素早く使ってくれるところが体の中にたくさんあるんです。それが筋肉です。実は食事で取った糖の7割は筋肉で使われています。ですから、運動せずに筋肉が落ちると血糖値が上がりやすくなります。逆に筋肉をつければ血糖値は上がりにくくなります。もし食事で糖質を取りすぎたな、眠いな、だるいなという時は、サッとその場でスクワットしてくださいね。こんなのでいいです。膝をそんなに曲げなくてもいいです。ちょっとでいいです。ちょっと足腰だるいな、ちょっと痛いな、これでも無理だなという方は、これは手の方がいいです。手の上げ下げでもいいです。ちょっと頑張って、じんわり汗が出るぐらい。30回ぐらいやってください。そうすれば血糖値の急激な上昇というのは、ある程度ストップできます。これは応急処置ですので覚えておいてください。で、糖質をとるなら運動する。運動するなら糖質を摂る。これを覚えておいてください。
身近なところに意外とたくさんある毒素
はい。では最後に食べてはいけないもの、毒素を含んでいるものですね。これはたくさんあります。ひじきに含まれているヒ素ですけれども、他の海藻の海苔にも含まれています。海苔は特に乾燥していますので、海苔を禁止している国っていうのも実はあります。ただ、日本ではここまで浸透していますので、せめてひじきはということでお願いします。お米にも含まれています。マグロの水銀というのも、マグロだけじゃないです。クジラとかムツとかアンコウにも含まれていますね。深海魚ですので含まれています。添加物とか農薬は入っていないものの方が、無添加とか無農薬とかいって数が少なくて高いですよね。
ということは、ほとんど使っているってことですよね。商品のパッケージに書いていないものっていうのは、ほとんど添加物、農薬が含まれていますので、葉物とかね、野菜っていうのは特に農薬がないとたくさん収穫できません。これを完全に無農薬にするっていうのは無理です。完全に体に入らないようにするというのは無理です。無理ですので、できるだけ毒の影響を減らす。少なくするということを考えます。その方法というのは、まず避ける。そして解毒をする。そして排出するということを意識します。
では脳の毒物ですね。脳にとってどんなものが毒物となるのか、毒素となるのか。これは重金属とか生物毒素、農薬、添加物というのがあります。で、有害金属っていうのは何かっていうと、ヒ素とか鉛とかカドミウム、アルミニウム、水銀があります。どれもですね、アルツハイマー病との関連が指摘されている金属ですので、摂り過ぎないようにすることが大事です。
ヒ素はひじきに多く含まれていますね。ひじきがずば抜けて、先ほど言いましたけれども、ずば抜けて多いですので、せめてひじきだけは極力避ける。食べる時はしっかりと茹でこぼしてから食べてくださいということですね。お願いします。鉛というのは食事からの摂取量は年々と減っております。ですけれども、怖いのは古い水道管から溶け出す鉛です。特に鉛というのは、体に入ってしまったら、なかなか減りませんので、もしお住まいがですね、家が築40年以上の古い家に住んでいるという場合は確認してみていただきたいと思います。
カドミウムというのは土壌に多く含まれています。土の中に多く含まれていますので、お米や野菜にも入っています。これは仕方がないですけれども、例えばタバコにも含まれていますので、禁煙というのはもちろん、副流煙ですね。誰かが吸っているタバコの煙を吸っても良くないですので避けるようにしてください。
アルミニウムですね。アルミニウムはこれまた最近アルツハイマー病との関連が指摘されているものですけれども、摂り過ぎないようにしてください。一番注意したいのはベーキングパウダーです。膨張剤ですね。ミョウバンとかもそうです。ですから、クッキーとかお菓子類は注意ということになります。歯磨き粉にも含まれていることがありますので、歯磨き粉をよく見て購入してください。
そして何度も出てきますが、水銀ですね。水銀濃度が高まることでアルツハイマー病のリスクが上がると言われておりますので、水銀は取りすぎないようにする必要があります。大型の魚や深海魚ですけれども、そういったものは食べ過ぎないようにしてください。ツナ缶はメバチマグロとかカツオとかですので食べてもいいです。ノンオイルタイプのものを使ってください。ブリもいいです。魚で食べたいものは小型の青魚と鮭ですね。これがおすすめです。
次に生物毒素ですけれども、生物毒素というのはO157とか貝の毒とか食中毒とか、そういったものはあります。腐ったものは食べないというのが当たり前ですが、大事ですね。賞味期限が切れているもの、これはいつ開封したか分からないものをお父さんに食べさせないであげてくださいね。毒素に関しては、生乾きのタオルとか、冷蔵庫の製氷機とか、お風呂のカビとか、エアコンのカビとか、そういったところですね。意識する必要があります。で、口の中の菌とかヘルペスとか細菌ウイルスももちろん問題となります。
そして農薬ですね。農薬は使わなければスーパーから野菜や果物はほとんど見かけなくなるかもしれないというほどありふれたものとなりました。農薬と聞いて、例えばね、海外から輸入された果物、みかん、オレンジとかね、そういうものを思い浮かべる方も多いと思いますけれども、国内で生産されたものでも農薬はもちろん使われています。日本というのは特に高温多湿ですので、害虫や雑草が発生しやすいです。例えばリンゴなんかは農薬を使わなければほとんど収穫できないそうです。
有名な除草剤にグリホサートがあります。このグリホサートが腸内細菌を乱してしまうということが分かっています。腸内細菌の乱れというのは直接脳の機能の低下にもつながりますし、腸内での炎症も起こりやすくなります。また殺虫剤ですね。殺虫剤というのは神経障害を引き起こしますので、直接脳の機能を低下させます。こういった農薬というのは、野菜や果物の表面についているものでしたら皮をむいたりすればいいんですけれども、例えばですね、お米とか、育つための水に混ざっている場合っていうのは、そのままその水を吸って成長していきますので、作物の中に農薬が入ってしまうことになります。それは完全に取り除くことはできませんので、どうしても体の中に入ってしまうんですよね。
また、遺伝子組み換え作物というのがありますよね。これはなんで遺伝子組み換え作物を作るかというと、風に強いとか、丈夫なものを作るのもありますけれども、一番は農薬に強くするためです。つまり遺伝子組み換え作物っていうのは農薬をたっぷりかけられている可能性が多い、高いということになります。今は商品の成分表示にわざわざ遺伝子組み換えでないと書いてありますねね。じゃあ逆に書いていないものは、輸入された大豆とかですね、トウモロコシとかは遺伝子組み換えだと疑ってください。
あとは添加物、これも今やほとんどの商品に含まれていますね。保存料とか着色剤とか発色剤とかになりますけれども、スーパーの惣菜、冷凍食品、インスタント食品全部入っています。見分け方というのは成分表示を見て、食材の名前が色々書いてありまして、最後に斜め線が入っています。スラッシュ入っています。その後ろからが全部添加物ですので、ここの後ろができるだけ短いもの、斜め線の後の商品名ができるだけ少ないものを選んでください。
また、脳の毒素の問題は私たちが食べているお肉ですね。牛や豚や鶏、魚が食べているものの影響もあると考えてください。肉類っていうのは良質なタンパク質、アミノ酸スコアの高いタンパク質ですので、しっかりと食べていただきたいですけれども、例えばアメリカの牛なんかはですね、日本の牛に比べるととっても大きいですね。それは成長ホルモン剤が使われているからです。そういったものを食べて、ホルモン剤が私たちの脳にどれだけ影響しているのかっていうのは、はっきりとはしておりませんけれども、ホルモンはちょっとでも、少量でも大きな作用をしますので警戒は必要だと思います。ちなみに国内では成長ホルモンの使用は禁止されておりますので、その点では国産のものに軍配が上がります。ただ、最近では海外産のものでも、外国産のものでもホルモン剤不使用とかですね、抗生剤不使用とか、そういったものを使わないという動きが高まっていますので、パッケージを見て、そういった不使用っていうものを書いてある商品を選ぶという風にしてください。
で、食事から入る毒物っていうのは、ざっと見ただけでも、ものすごいあります。今までのを全部を入ってこないようにするっていうのは無理です。ただ、私たちの体には毒を無毒化する作用が備わっています。元々ね。体の中で解毒する作用を無毒化する臓器っていったら肝臓ですよね。肝臓。そして排出してくれる。排泄してくれるところといえば腎臓です。便もありますけれども、腎臓です。ですから、肝臓と腎臓の機能を守ることはとても大事です。肝臓と腎臓の機能を助けること、とても大事です。認知症予防を考える上でとても大事な視点です。
体の解毒作用を高めることも大切
では日常生活で肝臓や腎臓の機能を助けるために考えるべきことをお話ししますけれども、食事で解毒を助けるために毎日摂りたいのがアブラナ科の野菜ですね。アブラナ科の野菜は浸透したと思いますけれども、さらにダメ押しで言わせていただきます。詳しいメカニズムというのは割愛しますけれども、アブラナ科の野菜っていうのは肝臓の解毒作用を助けてくれます。例えば小松菜、キャベツ、ブロッコリー、白菜、水菜、ケール、わさびなどあります。動画では大根の葉っぱも食べてくださいって言いましたけれども、大根の葉っぱはアブラナ科の野菜ですね。特に葉物野菜に該当します。
こういった野菜を毎日刻んでサラダでもいいですし、汁物でもいいですので食べていただく。我が家では味噌汁に、大根の葉っぱは味噌汁に入れております。それで肝臓の解毒機能を助けてあげてください。そして解毒を考えたら、今度はしっかり外に出すということを考えないといけません。で、外に出すのは腎臓とか腸の仕事ですけれども、有害物質をガッチリと掴んで運んでくれるという食材もあります。それがユリ科の野菜ですね。ユリカの野菜、ネギとかニラ、ニンニク、タマネギ、アスパラなんかもそうですね。アブラナ科の野菜もそうですが、ちょっと苦味とか辛味がありますよね。ユリ科の野菜も薬味に使ったり、刺激のあるものが多いです。これが良いんですね。これが良いんです。この苦みとか辛みっていうのを楽しめるっていうのがとても良いですね。そして腎臓でしっかり尿として排出するためには、綺麗な水をしっかり飲んでください。1日1.5リットルは飲まないといけないと聞いたことがあると思います。一気に飲まずに小まめに飲んでください。お茶でもいいですけれども、濃いお茶はカェインが多いので、薄い煎茶でいいです。はい。煎茶でいいです。綺麗な水というのは、ちょっと基準が難しいんですけれども、飲み慣れた水で、まずはいいです。体にすっと入る水でまずはいいですから、しっかり飲むことの方が大事です。そして、しっかり汗をかくことです。汗から有害物質とか毒物はほとんど排出されません。ごくわずかです。ですので、汗をかくのは毒を出すっていうよりかは、体の中の解毒機能を助けるためです。水分の巡り、血の巡りを良くするためです。しっかり汗をかいて、しっかり水分をとってください。
食べていいもの、悪いもののまとめ
以上、食事について説明してきましたけれども、この表で少しまとめてみました。細かくすればもっとたくさん項目ができるんですけれども。
黄色の食べ物が積極的に食べたいもの、それから緑が食べてもいいもの、赤が食べてはいけないものとなっています。これはリコード法にあるものもありますけれども、私が個人的に考えていることも反映しております。食に関しては突き詰めればきりがないですけれども、まずはこれを食べていいものか、これはいいのか悪いのかっていうのを考えて、判断して選択するという、こういった作業を地道にやっていくことになります。で、ここに書いていない食材もたくさんありますので、そういったご質問もLINEの方でメッセージいただければ、ご回答させていただきます。
緑のものと赤いものは摂ってはいけないということですか?(参加者からの質問)
緑のものは食べてもいいよっていうことです。食べ過ぎないでください。例えば豆類、ナス、トマト、ピーマンってありますね。ナス、トマト、ピーマン。ナス科の野菜は、実は炎症を起こす可能性があります。夏野菜っていうのは強いんですね。夏に強い野菜っていうのは非常に自分を守る作用が強いので、その分相手に攻撃をする可能性が高いということになりますので、種が多いような野菜になりますが、こういったものはあまり食べ過ぎない方がいいよということです。豆類もそういう傾向がありますね。やっぱり豆っていうのは自分が育つためのものですので、守るための機構もしっかりしている。なので、こういったものは、できれば圧力調理をしていただきたいということで、食べて栄養もそれなりにたくさんありますので、食べちゃいけないわけじゃないです。ただ、食べ過ぎにはちょっと注意かなというところですね。ジャガイモとかカボチャも糖質が多いですので。バナナもそうですね。バナナも茶色くなった甘いバナナっていうのが血糖値を上げやすいですけど、まだ青みが残っているような黄色いバナナでしたらメリットの方が大きくなるということになります。
マンゴーは食べてはいけないということですか?(参加者からの質問)
マンゴーはとても甘いですので、血糖値を上げやすいので、これはリコード法に書いてあるものですけれども、南国フルーツっていうのは甘みがとても強いですので、血糖値を上げやすいということで書いています。ブドウというのは農薬がとても多いんですね。ですので、載せています。なので、ブドウは今皮付きで食べられるものが増えていますけれども、海外製で農薬がかかっていない、そういったものではいいんですけれども、例えば国内でも食べられるよっていうブドウは農薬がかかっていないかですね、そこをきちんと見ていただく。探せば、ちょっと数は少ないですけど、そういったブドウもありました。
卵はどうですか?(参加者からの質問)
卵は食べていいです。卵は食べていただきたい、むしろ。卵は脂質、コレステロール、まあ、卵から食べてコレステロールが上がるから控えようっていう風に聞いたこともあると思いますけど、今は食事由来のコレステロールは体内のコレステロール値とは関係しないという風になっていますので、1日2個まで、そうは言っても2個までですね。脂質が多いので。動物性脂肪が多いですので、1日2個までは食べてください。1個に大体6gのタンパク質が含まれていますので、それも計算してタンパク質として食べてください。ただ、卵も思い返せば、鶏が子孫を繁栄するために思い切って産むものですので、体の中の鳥が食べた餌とか血液とか、すべて、環境、ストレスとかすべて卵に入っちゃいます。ですので、卵というのはそういった大事なものですので、より質にこだわっていただきたいと思います。ストレスのない。そうですね。平飼いでストレスのない環境で育てられて、食べた餌もできれば有機のものですね。大体のところはトウモロコシを輸入した餌をあげているので、そういったものじゃない、こだわったところで作られたものを食べていただきたいと思います。
はい。そうですね。私も動画の方でA2ミルクを飲んでいただきたいというお話をさせていただいた時に、ジャージー牛乳とかブラウン牛乳、ブラウンスイス牛乳もいいですよっていう風にお伝えしています。ただ、ジャージー牛乳だから、ブラウンスイス牛乳だからといって放牧されているとは限らないんですね。それは飼育環境にもよります。ただ、すべてを見たわけじゃないですけれども、日本で飼われているジャージー牛乳、ブラウンスイスは放牧の方が多かったですね。ただ、ジャージー牛乳もブラウンスイス牛乳も完全にA2ではないです。ただ、完全にA2かどうかは遺伝子を調べないといけないんですけれども、完全にではなかったです。ただ、割合がとてつもなくA2高いので、通常のホルスタインの牛乳を飲むよりは良い、と。今、完全にA2ミルクっていうものが売られています。最近売られています。普通のスーパーに緑のA2ミルクっていうのはありましたけどね。そういったものも考えていただきたいですね。はい。大丈夫ですかね。行きますね。では次です。
食事をとる時間とサーカディアンリズム
食材の選び方っていうのが分かってきたところで、次に食事をとる時間について考えていきます。食事をとる時間というのはとても大事です。で、この食事をとる時間によって、まず生活リズムを決めていただくというのがおすすめです。大きなルールですけれども、寝る前3時間食べない。これ大事です。私の経験もそうですけれども、多くの方がこの寝る前3時間食べないっていうルールを実践しただけで一番体調が良くなるのを実感できています。食べてすぐ寝るのが習慣になっている方というのは今日からぜひこれやってみてください。びっくりするほど身体が変わります。1週間も続けると体調がいいのが分かります。寝る前に食べるっていうのは良いことがないんですね。血糖値を上げたまま寝ることになりますし、消化にエネルギーを使っていますので、良質な睡眠を妨げている原因となります。
そして次なんですけれども、夕食から次の朝食までは12時間空ける、です。これは12時間絶食をすると言い換えることもできます。エネルギー源として糖質がなくなって脂質が燃やされる時にケトン体っていうのが出ますけれども、そのケトン体が脳にとって良い栄養になることが分かっています。この12時間の間は水分は摂っていただいて結構ですけれども、カロリーのないものにしてください。人によってはですね、実は12時間以上の絶食が推奨される場合がありますけれども、これ以上の絶食っていうのは筋肉を落とすことにもなりますので、慎重に行う必要があります。皆さんが絶食していい時間というのは、まずは12時間だということで覚えておいてください。毎日ですね。
よくご質問いただくのが、12時間空けられない時はどうしたらいいでしょう?というご質問です。お仕事が遅かったり、朝が早かったり、色々な事情があると思います。その場合はできるだけ寝る時間、寝る前3時間は食べないように、仕事終わりにすぐ軽食で済ますとかですね、休み時間、休憩時間に食べちゃうとかね、一回の食事量を減らしてこまめに食べるとか、そういった方法を検討します。12時間どうしても取れないなら、満腹を極力避ける。腹八分目でもなく、六分目、四分目ぐらいまで下げることを次に考えていきます。
そしてサーカディアンリズムを考えるということも考えていきますね。サーカディアンリズムを考えて食事をとるということです。サーカディアンリズムっていうのは私たちの体に元々備わっている体内時計のことです。私たちは、人間というのは1日を24時間として生きている昼行性の生き物ですね。昼行性の生き物です。実際はぴったり1日24時間として生きていませんので、ズレを修正する必要があります。
その修正の方法が朝日を浴びることと食事をとることです。朝起きたら家中のカーテンを開けて、窓を開けて朝日を浴びてください。外に出て散歩するのもいいです。そして前の、前日の夕食から12時間経っていましたら朝起きて2時間以内には朝食をとります。この朝食っていうのは1日の活動の源になりますので、脂質とかね、タンパク質、糖質をバランスよく食べてください。で、魚の脂の、ちなみに魚の脂のDHAありますよね。こういうのは夜より朝に食べた方が吸収率が高いということが分かっていますので、朝から魚を焼くっていうのはとてもいいですね。
食事と活動っていうのは一緒に考える必要があります。午前中に体とかね、運動、頭を動かすような、そういった活動がある、予定されているって方は朝食はしっかり食べていただいて結構です。夕食は、あとは寝るだけですので軽めで結構です。食事の食べ方ですけれども、炭水化物を最後に食べるカーボラストを心がけて血糖値の急激な上昇を防ぎましょう。そして、しっかりよく噛んで脳の血流量をアップさせて脳に栄養を届けましょう。また、味、匂い、噛む音とかね、温度、見た目をよく観察して楽しんでいただいて食事で脳を刺激していきます。そして食事っていうのは清潔なところ、できるだけ家族みんなで食べるようにしてください。一人暮らしの方はですね、私の顔を思い出して食べてください。
脳にとっての栄養とは?
いかがでしたでしょうかね。食事の内容でもかなり量が多いことになってしまいまして、とても長くなってしまいました。ここからはポイントを抑えて駆け足でいきますけれども、次に2つ目の栄養ですね。この栄養というのはアミロイドベータが増える脅威でもあった脳の栄養不足に関係します。脳の栄養とは、これさっき出したスライドですけれども、3つ分けて考えることができました。
脳そのものを作っている栄養がまず大事でしたよね。脳は60%が脂質でできています。あとはタンパク質です。ですから、脂質とタンパク質はとても重要です。脂質の質で脳の働きが全く変わってきます。トランス脂肪酸のようなま不自然な油があると、脳の働きというのは鈍くなってしまいますね。悪くなってしまいます。オメガ3、オメガ6、オメガ9などの不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の割合を考えてバランスよく摂っていく必要があります。具体的には動物性脂肪とトランス脂肪酸は極力控えて、オメガ3を意識して摂る。そしてオメガ6は控え目にして、基本はオメガ9をメインに使う。具体例を入れますと、肉の脂質はしっかりとできるだけ取り除いて、魚の油とか亜麻仁油とかは毎日摂って、ごま油とかサラダ油は控えて、オリーブオイルとかアボカドオイルとか、そういったものを調理に使う。基本使うということですね。
また、脳で使われる脂質にコレステロールというのがあります。このコレステロールも脳細胞を作るために大事です。必要です。で、問題となるのが実はコレステロールを下げるお薬ですね。スタチン系、何とかスタチンですね。最近はジェネリック医薬品もありますので、成分名でお薬を目にすることが多くなりましたので、何とかスタチンというのがスタチン系のお薬です。これらのお薬というのはコレステロールを下げすぎてしまう、総コレステロールを下げすぎてしまう可能性がありますので、今もし飲んでいらっしゃる方は、やめなさいではないですよ。薬を使わなくてもいいように生活を改善してください。
で、タンパク質もそうですね。タンパク質は朝からしっかり食べていただきたい栄養素です。朝から肉を食べてもいいです。魚を焼いてもいいです。ホイル焼きしてもいいです。卵も1日に2個までなら食べてもいいです。朝は絶食明けですので、タンパク質が足りず筋肉が分解されやすいですので、しっかりとタンパク質を摂ることを意識してください。で、1日体重1キログラム、1キログラムあたり1gのタンパク質が必要です。例えば体重50kgの方でしたら1日50gのタンパク質が必要です。50gのタンパク質を魚で換算すると1日250gほどになりますので、そういった量を毎日食べていただく、と。もちろん卵とか納豆とかタンパク質も含まれていますので、あくまでも目安ということでお願いします。
脳機能を助ける成分を摂る
また、ビタミンとかミネラルももちろん大事なんですけど、ここではさらに脳の機能を助ける成分をご紹介します。脳の直接の栄養になる成分ということですね。よくテレビとか見てたら、認知機能にいい成分とか、記憶力を向上させる成分とか宣伝されていますよね。実際ものすごい種類があります。それは嘘ではないと思いますね。ある実験では、そういう傾向が得られたというのはよくある話です。ただ、それだけ食べれば認知機能が向上するのかというと、そんなことないですよね。一つの成分だけでどうにかなる問題ではありませんでしたし、それ以外に口にするものっていうのが大事でした。ですから、そういった食べてはいけないもの、いいものを大まかに理解して、毎日の食事を整えた上で、さらに脳に良い成分を幅広く摂っていくという方法が正しい方法です。
では、どういうものがあるかというと、例えばホールコーヒー果実エスとかヤマブシタケというのがありますね。ヤマブシタケも有名ですよね。幻のキノコと言われていますけれども、最近ではスーパーでもよく見られるようになりました。シャキシャキとした歯ごたえで、味はあんまりないですので、我が家では味噌汁にでも、なんでも味噌汁に入れています。ヤマブシタケもお味噌汁に入れています。で、ヤマブシタケに含まれているヘリセノンがニューロンの減少を防いで脳を活性化してくれます。他にもですね、脳を落ち着かせるだとか、集中力を高めるだとか、色々な脳に良い成分というのもあります。それぞれ一定以上の効果は得られていますけれども、どれか一つを摂ればいいというわけじゃなくて、幅広く成分を摂って、できるだけ取りこぼしのないようにしていくというのが正しい戦略かなという風に思います。
じゃあ次ですね。食事の内容とかね、栄養については皆さんに当てはまるものでしたので、詳しく解説しましたけれども、毒素、睡眠、ストレス、運動、刺激については、ちょっと個人差が大きいものですので、ここからは皆さんが当てはまるようなチェックポイントを主にお伝えします。意識できていないところは意識してみてくださいね。
チェックポイント - 毒素対策と睡眠 -
では毒素です。毒素は食事由来の毒素もありましたけれども、それ以外の環境で体に入る毒素もあります。チェックすべきは、まず口の中ですね。歯周病菌がアルツハイマー病の方の脳で見つかったと言いましたが、口の中の環境は脳にも含めて全身の体調と関係することが分かっています。大体3か月から4か月ごとの定期的な歯検診というのは必ず習慣にしてください。そして家の中のカビですね。特に黒カビです。目に見えて分かる黒カビは、ものすごい量の毒を出していると思ってください。お風呂の掃除とかエアコンの掃除、台所の掃除、水回りというのはしっかりとカビを取ってください。冷蔵庫の製氷機もね、カビがあるので、最近冷蔵庫、いつ冷蔵庫の製氷機を洗ったか記憶にないっていう方は、もう使わないと決めていただいた方がいいと思います。大気染というのは防ぎようがないですけれども、車の排気ガスとかですね、工事現場とか、あとは塗装作業現場とか、そういったものには近づかないといった対策はしていただきたいなと思います。喫煙も認知症と大きく関係しております。これは電子タバコでも同様です。人が吸ったタバコの副流煙も同様です。今からでも禁煙すれば、今喫煙されてる方はね、今からでも禁煙すればリスクを減らせますので、愛煙家の方は皆さんのためにも禁煙を考えていただきたいと思います。化粧品も実は関係します。口紅なんかは絶対に口に入っていますよね。質にはこだわってください。制汗剤とかアルミニウムが含まれていますので、必要最小限、そして口から吸わないということでお願いします。
次にですね、睡眠です。睡眠はアミロイドベータを流すために大事でしたよね。特に最初の4時間までの深い睡眠っていうのが重要でした。ここに全力を尽くしてください。4時間しか寝てないっていう方は改善が必要ですよ。4時間はちょっと短すぎますので、せめて6時間以上ですね。6時間から7時間は寝てください。で、ポイントはですね、何度も言いますが、寝る前に3時間は食べないということです。お腹いっぱい食べて、お酒も飲んで、そのままこコタツで寝ちゃうというのが一番良くない。一番最悪ですね。まず、ここから始めてください。
そして寝る前にブルーライトを浴びない。これはテレビとかスマホとか、そういったものです。ブルーライトは脳を覚醒させますので睡眠を邪魔してしまいます。そして悲しいニュースを見ないことです。ニュースっていうのは色々な事件がありますけれども、悲しいニュースはそっちに気持ちが引っ張られてしまいますので、気持ちが落ち込んだまま寝ることになります。それは良くないですので、できれば寝る前は楽しいことを考えて寝てください。何でもいいです。ちょっとでも楽しいことを考えてください。そして寝返りの打ちやすい寝具ですね。布団や枕です。寝返りは脳にとって大事です。寝返りを打つたびに脳の中の水分が移動しますので、それで老廃物を流しやすくします。そして部屋は暗くしていただいて、ちょっと寒いぐらいですね、18度前後と言われますけれども、そのぐらいの室温で寝るのが望ましいです。
睡眠時無呼吸症候群がある方、いびきがひどい方、これは酸素がしっかり脳に届いていない可能性がありますので、気になる方は早めに専門機関を受診してください。そして頻尿で眠れないという方も多いです。原因が分かれば対処することも可能ですので、専門機関を受診していただくのと、多くの方は骨盤底筋ですね。硬いですので、お尻の穴をしっかり締めるような運動ですね。あとはスクワットをして鍛えていくことも考えていきましょう。ここに頻尿と書いてありますけれども、定義としては夜に一回以上排尿のために起きるということにはなっていますけれども、起きてトイレに行って、すぐ寝れる方はそれでいいです。大丈夫です。起きてトイレに行って、その後眠れないという人は改善する必要がありますので、トイレ行きたくて起きて、すぐに寝ちゃうんだったらいいです。寝てください。それで大丈夫です。
チェックポイント - ストレス対策と脳休息 -
で、次にストレスですね。ストレスっていうのは万病の元と言われるくらい良くないことです。ストレスっていうのは脳で直接炎症も起こしますけれども、ストレス対策を考えることはとても大事です。ストレス対策というのは、大きく分けるとストレスを避けるか、ストレスに強くなるか、ストレスを発散するかに分けられます。で、ストレスを避けるというのは物理的に距離を取ることです。嫌いな人がいるとかね、苦手な人がいる場合は距離を取るということがやっぱり一番大事だと思います。ここは自分を大切にしてくださいで。ストレスを抱えてまで誰かに対して行動をして、結果ストレスダメージ以上の幸せが返ってくるならいいです。けれども、そうでなければやめた方がいいと思います。
で、ストレスに対して強くなるっていうことも考えていきます。ストレスっていうのは多くの場合が対人関係です。それも多くの場合ですね、相手に期待しすぎることで起こったりしますね。ちょっと悲しい言い方ですけれども、相手に期待しすぎない。他人は他人。そういう冷静なところも持っておくっていうことがストレス対策になることがあります。ちなみに認知症になりやすい性格というものがあります。それはですね、頑固であったり、皮肉をよく言うとか、そういった傾向があります。そういう感情っていうのは、こだわりが強かったり、許せないっていうような気持ちからきますよね。ですから、そういう自分の考えが正しいんだという考えを一度捨てて、冷静に違う考えもあるかもしれないなと立ち止まれるか。これが重要だと思います。そうすれば、うまくストレスを受け流して強くなることにつがると思います。
うまく発散するというのは自分が好きなこととか、これをやれば心が落ち着くっていう自分の好きなものや行動をあらかじめ100個ぐらい用意しておいてください。書き出しておいた方がいいです。ストレスを感じた時にそれを実行してください。これをコーピングといいます。ストレス源のことを考えないようにする切り替えがとても大事なんですね。ただし、くれぐれも暴飲暴食、バイキングに行くんだとか、そういうのはやめてくださいね。そして目に見える景色を片付ける、です。これもオススメです。脳というのは生理整頓された綺麗さを好みますので、部屋が散らかっていても、冷蔵庫の中が散らかっていても、そんな状態を習慣としていては脳の中も乱れます。集中力もなくなって記憶の整理ができなくなりますので、整理整頓、断捨離、美しさ、これにこだわってください。
運動ももちろんおすすめです。特に筋トレですね。筋トレというのは力を目一杯使うような運動です。そしたら目の前にある重さを、重りを持ち上げる、押し上げるだけに集中しますので、瞑想と同じ効果が得られます。最後に脳休息と書いてありますけれども、これは瞑想とマインドフルネスのいいとこ取りをした私のオリジナルです。やることは至ってシンプルです。しっかり呼吸をしていただいて、深呼吸していただいて、呼吸だけに意識を集中させます。これで変な考えを断ち切っていただいて、脳をぐるぐる回るストレスの渦から解放していきます。1日5分でもいいので、こういった時間を作っていただく。呼吸を意識する。とにかく呼吸を意識する時間を作ってください。
おすすめは耳栓をして脳休息することです。耳栓をすると、自分が身体の中の音に敏感になれますので、耳栓をして呼吸を意識すると意識しやすい。ちょっと耳鳴りがある方というのは、逆に耳鳴りがひどくなる可能性もありますので、注意、ご相談ということで、そうでない方は耳栓をするのもおすすめですよということです。
チェックポイント - 運動と脳への刺激 -
次に運動です。運動も重要です。運動っていうのは結構皆さんやっていると思います。散歩とかジョギングとか近所にできたジムとか、とてもいいことです。運動のポイントですけれども、毎日必ず深呼吸をしてください。色々と持病があって運動ができませんという方もいらっしゃいますけれども、呼吸は誰もがしていますので、しっかりと深呼吸ができるといいですね。毎日、肺からお腹までしっかり意識して、しっかり吸って、しっかり最後まで吐き出すということです。朝昼晩1日3回、10回ずつぐらい行ってください。深呼吸するだけで血流が良くなる。力が湧いてくるのを感じられると思います。そして朝起きたら軽くストレッチをしていただいて、今、自分の体がどの程度動くのか、可動域を確認してください。体は動かさなければどんどんと動かなくなりますので、朝しっかりと動かせるところを動かしておきます。そしてウォーキングもされている方も多いと思いますけれども、この時は姿勢とですね、姿勢と歩くペースに気をつけてください。できるだけ目線は遠くに、胸を張って堂々とですね、リズミカルに歩幅を大きく、早めに歩いてください。1日10000歩が目標ですけれども、まずは5000歩でもいいです。8000歩でもいいですので、今日より明日が、より一歩でも多く歩けるように頑張ってください。
そして運動は毎日です。歩くのがつらいという方は家で足踏みでもいいです。踏み台昇降運動でもいいです。歩けない、立てないという方は上半身を動かせる範囲で大きく動かしてください。肩も上がらないという方は手をぎゅっと握るでもいいです。握力と認知症の症状は相関性があると言われていますので、握力が弱くならないか。
よく有酸素運動を毎日しているので、無酸素運動はしなくてもいいですかと聞かれますけれども、できたら両方してください。無酸素運動というのは息を止めて思い切り力を出す筋トレのようなものとなりますけれども、筋肉量を維持するためにも無酸素運動はできるだけ続けていただきたいです。週に2回は無酸素運動を取り入れてください。そして運動というのは音楽があった方が体が動きやすいですので、音を出してそのリズムに合わせて運動するというのもおすすめです。
最後に刺激ですね。刺激。脳細胞っていうのは1度失われると二度と元に戻らないと言われています。ですが、失われた脳の機能は戻ることがあります。例えば怪我をして指を動かせなくなったとしても、リハビリを続けていれば少しずつ指が動くようになることがあります。これは指を動かすために使われている脳の一部分の機能を、他の脳の部分が補ってくれているからです。これを脳の可塑性といいます。その可塑性を発揮するためにも、脳への刺激、脳へのリハビリっていうのを欠かしてはいけないんですね。
日頃からできる脳への刺激のポイントを紹介します。まず、おすすめなのが部屋の模様替えです。毎日一番見ている景色は家の景色だと思います。そこに変化をつけると、それだけで脳の大きな刺激となります。家具の配置を変えてみるとか、敷物の色を変えてみるとか、アロマの香りを変えてみるとか、お皿の色を変えてみるでもいいです。こういうことで目に見えている景色っていうのが変わりまして刺激が起こります。観葉植物の位置を変えるでもいいです。
もちろん新しい勉強を始めるっていうのもいいですね。資格を取るというのもいいです。できれば目的があった方がいいので、勉強して、それを使って何か行動するところまで思い浮かべてください。そして毎日日記を書くことです。一言二言でも構いませんので、自分の字で書く、自分の手で書くというのが一番いいです。そして誰かと話すことです。やはり誰かと会って話すというのは疲れることもありますけれども、脳はものすごく回転しています。難しいことに挑戦することももちろんいいですね。年齢は重ねても心は若く保ってください。若者に交じって行う習い事なんかとってもいいですね。そして実は効果が高いのは恋をすることです。好きな韓流スターとか、好きなスポーツ選手とか、追っかけでもいいですね。もちろんご主人とか奥様への愛情は忘れてはいけません。その上でさらに心をときめかせてくださいね。心のときめきは脳の若返りと直結しています。
というわけで、最後は駆け足となりましたけれども、7つの項目を意識した日々を送ることがリコード法の基本であって、認知症予防になる生活習慣のポイントです。
実際に改善効果があらわれた2つの事例
さて、皆さんできそうですか。食事の内容からあんなに量がありまして、さらに他のポイントがたくさんあって、ちょっと大変だと思いましたよね。では、じゃあ実際どの程度実行したら実感として効果が現れるのか。実際に私にご相談いただいた方の例で見ていきます。
では改善事例1です。60代男性、奥様と二人暮らしの方です。軽度認知障害で自覚のある方です。3年ほど前から新しい記憶ができなくなって同じことを何度も聞くようになった、と。そこで奥様がそれに対応するのが嫌になってしまって、奥様がイライラして精神科を受診するようになってしまったという方です。その方ですが、特に気をつけていただいたことは、油の取り方をまず変えていただきました。まず調理に使う油を全部捨て、サラダ油を全部捨てていただいて、オリーブオイルと米油に変えていただきました。そして家の中を毎日1か所綺麗にするという風に決めていただきました。取り組んでいただきます。そして長いこと、歯医者さんに行っていなかったので、しっかりね、歯医者さんに行って歯周病の治療をしてもらう、と。
奥様にはですね、認知障害ということを意識させないように、否定せず、笑顔で話すということを約束してもらいました。そして運動は必ずご夫婦で行うということを日課にしていただきました。他にも色々やっていただいたんですけども、大体1か月半ぐらい続けていただいて、記憶が詳しく思い出されるようになったというのを感じたということでいらっしゃいました。ひとつうまくいくと気を抜きがちなんですけれども、気を抜かずに頑張っていただいたところですね、家族の会話も弾むようになった、と。今は自分が改善した方法というのを周りの方に教えているということなんですね。嬉しいですよね、これはね。人に教えるというのはとってもいいです。とてもいいことです。この方は割と早く効果を実感された方です。
次は70代女性ですね。この方はアルツハイマー病と診断されています。既にですね、在宅介護の状態で、一人では生活できない状態です。診断を受けてから3年が経って、最近のことは覚えられない状況で、何に対しても関心がないという状況です。好きだった料理もしなくなって、日中もうつらうつら寝ているという状況です。どうなったかということですが、特に気をつけていただいたことは、まず生活リズムを決めて実行することです。土日も関係ないです。毎日一緒。朝は7時に起きてカーテンを開ける。そして水を飲んでいただいて体を大きく動かす。8時に食事を摂っていただいて、その後外に出ます。そして、お昼1時に昼食にして、30分お昼寝時間を作ります。夕方にも外に散歩してもらいます。そして夜7時には夕食を食べ終えて、11時には寝るというリズムを続けていただきました。介護をされている娘さんには、独り言でもいいので笑顔で話していただいて、昔話ですね、例えば昔得意だった料理の作り方とか、そういったものを頻繁に聞いていただきました。そして毎日何かしら文字を書くということをお願いしました。
もちろん今までやったことないことばかりでしたので、最初は苦労されましたけれども、根気強く続けていただいて、6か月ほどですね、6か月ほどから意欲が徐々に出てきたということです。一緒に料理を作ってくれるように手伝おうかと言ってね、一緒に料理を作るようになったと。会話もほとんど一方通行だったんですけれども、ちょっとずつキャッチボールもできるようになってきたということです。現在も継続されています。生活習慣を気をつけて工夫されています。ただ、毎日が楽しいとおっしゃっていたので、その毎日が楽しいなと思えるのが一番の改善だなという風に思いました。
代表的な改善事例というのをお話ししましたけれども、今までお話ししたような生活習慣の見直しをして、できていないようなことを少し直してみる。そして、できるだけ長く継続する。こうすることで多くの方が体調がいいと感じることができています。よく眠れるようになったとか、だるさがとれたとか、血液検査の結果が良くなったとか、仕事に復帰できたという方もいらっしゃいます。こうした体調の良さを感じることが大事で、何かを変えたら、それに対して体がどう反応しているか。よければ継続して、イマイチでしたら他のやり方を試してみる。その繰り返しをしていただきたいということなんです。
こう言うと難しそうですけれども、完璧にやる必要はやっぱりないです。先程の7つの項目をまず6割目指して取り組めばいいんです。ただ、7つの項目のうち一つだけ頑張るということはないですよ。すべての項目を6割目指すというのが大事なんです。そこから8割以上を目指して試行錯誤をすればいいんです。
なぜ6割なのか。それを簡単にグラフにしています。1日1日の生活の積み重ねで認知症の原因が溜まりやすいか、溜まりにくいかが決まるとして、発症までにこれだけ溜まれば発症と考えると、少しでも長くそこまでの山が積み重ならないようにするというイメージです。
早ければ早いほど、塵も積もれば山となりますので、今日から1日1日丁寧に過ごしていただければと思います。大切なことは、いかに早く取り組むかです。私も含めてアミロイドベータは溜まってきていますので、早く対処をすればするほど認知症は遠ざかります。また、既に認知症と診断されている場合でもリコード法は有効ですけれども、やはり進行とともに改善率は低下していきます。認知症の予防・改善にはタイムリミットというのがやっぱりあるんです。
リコード法で問題となる6つのハードル
ただ、リコード法もなかなかですね、実践するのが難しい。ハードルが高いという問題も確かにあります。まず、医療機関が未対応っていうのはありますよね。リコード法は治療というよりは生活の改善が主にすることですので、そもそも病院として行っていることはほとんどありません。それどころか専門の先生の方でも、専門医の方でもですね、リコード法を知らないという方が多いです。病院に相談された方、お分かりだと思いますけれども、実際にご本人やご家族が認知症、認知機能低下を自覚されてもですね、症状が深刻になるまで治療らしいものはないですよね。そしてですね、MCIとか軽度認知障害とか、初期のアルツハイマー病と診断されてもですね、処方箋を受け取るだけで生活指導というのはほとんどないですよね。その結果ですね、まだ引き返せるような可能性があるにも関わらず、大事な時間を無駄にしてしまうということが多いのが現在の状況です。
では自分でやろうとなった時に、まず問題となるのは知識ですね。知識がないという問題です。リコード法はすべて科学的に色々と考えられた方法ですけれども、今日でお分かりのように考えるべきポイントというのが多いですね。6割でいいとは言いましたけれども、それは正しい知識があってこそ6割やってると言えることであって、知識もないのに達成することはやっぱり難しいです。そうは言っても、専門的な難しい内容はなかなか理解できないという問題もあります。
また、費用の面もありますね。例えば医療機関でもリコード法に沿った検査や相談をできるところも少ないですが、あります。ただ、もちろんリコード法は何か手術のような治療をするんじゃなくて、生活習慣の改善がメインですから保険が効きません。検査も多いので、専門病院で検査を全部実施しようとすると大体100万円から300万円ほどかかってきます。また、リコード法ではサプリメントもありますけれども、このサプリメントも海外からの取り寄せとなりますので、月10万円ぐらいはかかってくるということになります。
もちろん食事に気を使うとなると、お金がかかることはありますよね。費用の問題はやはり重たいですね。そして検査が受けられないという問題があります。リコード法というのは一人一人の問題に対応した、その人だけの方法となります。問題点を見つけないで実践しても、どうしても効率っていうのは悪くなってしまいます。その検査は一つじゃないんですね。日本にはすべての検査を一度にやれるっていうところがないんです。これも問題ですね。
あとは支援環境がないという問題もあります。なかなかリコード法っていうのは浸透しておりませんので、実際やってみて分からないこと、疑問が解決しにくいということになります。そうなると間違った方法のまま実践していることに気づかずに、結果が出ずにやめてしまうと、いつもの生活習慣に戻してしまうということが多いです。専門機関で相談というか診察とか、そういうこともありますけれども、相談の回数っていうのは大体決まっています。さらには日本人向けにアレンジが必要となります。元々リコード法というのはアメリカで開発されたものです。アメリカ人と日本人とでは遺伝的背景も違いますし、生活習慣も違います。食文化とか土壌の問題とか、日本人特有の問題もあります。例えばアルコールは控えていただくべき食材として載せておりますけれども、赤色で書いておりますけれども、リコード法では、アルコールは有機無糖ワインでしたら、赤ワインでしたら良いということになっています。1日グラス1杯ですね。なっていますが、これはですね、日本人的にはアルコールに弱い方が多いですので、私はNGにしております。こういったところもあります。こういった風に少しアレンジが必要になってくるということになってきます。そのためにはどうしても医科学的な知識っていうのが必要になってくるかなと思います。
リコード法の実践環境を着々と整えています
この状況をどうにかしなければならないというのが私の想いです。そこで2019年頃からですね、企業様にもご協力いただきながら環境整備に取り組んでまいりました。認知症協会の目標としましては、日本の認知症医療を変えていくというものがあります。そのために認知症は予防できるんだ、改善できるんだということを多くの皆さんに知っていただいて、実際にそれを実践していただくまでをサポートしていきます。そのために、まず国内での改善実績を増やしていく必要があるんですね。そこで認知症協会では2021年から認知症の患者様やご家族、それから認知機能に関するご不安がある方を対象に、リコード法をベースにした認知症を予防・改善するためのプログラムを提供しております。また、リコード法を実践される方々の支援を目的として様々な商品やサービスを開発しております。
まずリコード法の学習テキストと動画の教材を作りました。理論とか食事、運動、睡眠、ストレス対策、脳トレなどの大切なテーマごとに深掘りして解説しております。テキストは全12巻あります。動画は全14章132テーマ作っています。リコード法について今のところ日本で一番具体的で分かりやすい教材となっております。
郵送の検査キットっていうのも作りました。リコード法の実践にあたって最低限受けたい唾液で調べる遺伝子検査、それから少しの血液で調べる生化学検査発、毛髪で調べる細胞バランス検査ですね、この3つの検査をセットにしました。で、この検査はすべて自宅でできますので、結果も郵送されますので、通院不要ということになっています。これを最初に受けていただくだけで今後の方針っていうのが決まりますので、効率が大きく違うと考えております。
で、リコード法というのはサプリメントも一つの武器としておりますけれども、なかなかですね、国内生産、日本人向けがなかったので、それも開発しております。成分としてはかなり多いです。これ全部1日で飲む種類ですので、かなり多いですけれども、品質、安全にこだわっておりまして、リコード法の実践に、このサプリメントの量もですね、規定量はありますけれども、ご相談いただいて、これは減らした方がいいよとか、増やした方がいいよとか、なくてもいいよねとか、そういうお話になっていきます。
またリコード法っていうのは食事、運動、睡眠、ストレス管理とか、実際の項目がたくさんあるので、しっかりと結果を出すために専門的な知識を持つヘルスコーチのサポートっていうのは欠かせません。その人材を確保するために認知症予報活動支援士の育成にも取り組んでおります。 ということで、プログラムにはですね、現在まで200名以上にご参加いただいて、私もコーチとして実際に参加、指導させていただいたおります。すべて郵送とオンラインで受けられるプログラムですので、通院不要ですので、ご自宅で実践できるのも特徴です。継続して取り組まれている方の中には、良い変化をご報告してくださる方も増えてまいりました。先ほど紹介した改善例というのも、まさにこのプログラムを受けていただいた方の声です。こうした参加者様の結果を踏まえて、プログラム内容も常に改善に改善を重ねていこうと思っております。このプログラムに関しましては、近々リニューアルして、募集も予定しておりますので、募集の際には講演参加者様には優先的にですね、ご案内させていただこうと思っています。もし、ご興味がございましたら、情報を、続報をお待ちいただきたいと思います。
おわりに
最後にですね、今回の講演に関する簡単なアンケートのお願いです。セミナーが終了しましたら、事務局からLINEでメッセージをお送りします。そちらに回答方法を記載しておりますので、ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。また、アンケートの中で質問を募集しております。今回様々ないろんな疑問が浮かんだと思います。この部分が分かりにくかったとか、これについてもっと詳しく知りたいとか、こんな食品はどうだろうとか、自分の場合はどうしたらいいんだろうとか、そうした質問、疑問あると思いますけれども、ぜひそれをお答えしたいと考えております。ちょっとしたことでも構いませんので、気兼ねなく何でもご質問ください。今日はちょっともう時間が押していますので、時間の都合で質疑応答まで行うことができませんけれども、後日Q&Aの動画を作成してお送りします。こちらは参加者様からいただいたご質問に私がどんどん回答していくという風なものになっております。ただ、かなりボリュームがあると思いますので、おまけじゃなくて講演会の続きだと思ってみていただければと思います。なお、こちらのQ&A追加動画に関しましては、申し訳ないですけれども、アンケートをご記入いただいた方への特典というか、お返しという形にさせていただきますので、ぜひ忘れずにご記入をよろしくお願いいたします。
というわけで、お時間となりました。以上をもちまして、本セミナーを終了させていただきます。本日は皆さん、お忙しいところをご参加いただきまして誠にありがとうございます。