わたしにとって認知症予防活動支援士とは、
地域のよき相談相手
- 永野 祐司 さん(神奈川県川崎市 在住)
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司法書士、行政書士
認知症予防活動支援士
※肩書きや資格は2017年8月インタビュー当時のものです
- インタビュー内容
司法書士のお仕事について
「楽しいと感じられるからこそ続けられる」
──司法書士のお仕事はいつ頃から始められましたか?
永野祐司さん(以下 永野さん) 私が司法書士の資格を取得したのが40代の頃です。それまではサラリーマンで、今とは真逆のエンジニアの仕事をしていました。
──そうだったのですね。司法書士を目指されるきっかけは何でしたでしょうか?
永野さん 自分のペースと自分の考えで仕事をしたいと思って、独立開業を目指していました。まずは行政書士の資格を取得し、その後、司法書士の資格も取得しました。
──成年後見のお仕事をされていると伺っていますが、何かきっかけがありましたか?
永野さん 司法書士を開業したのが平成14年で、当時はまだ成年後見制度が始まって2年ほど経ったばかりでしたので、多くの司法書士の間でこの新しい制度を盛り上げていくのだという雰囲気がありました。私も頑張ろうと思って始めたのがきっかけです。
──なるほど、そうだったんですね。
永野さん 以前はそこまで成年後見の業務に携わることはありませんでした。ですが、やっていくうちに面白くなり、自分は福祉関係の仕事が向いていると思って、機会があるごとにどんどん受け入れています。
仕事のポリシーとして、支援する本人がいる自宅、施設、病院等には定期的に訪問し、本人及び家族、施設スタッフ、病院看護師等と面会し、本人の状況確認をしています。かなり時間を要するので、他の業務を受けている余裕がなくなってきました。
相続の登記なども行っていますが、このまま増えていくと、成年後見の業務一本になりそうですが、それでもいいかなと思っています(笑)
──では、成年後見のお仕事にやりがいや手ごたえを感じていらっしゃるのですね。
永野さん はい、そうです。
認知症の方との向き合い方
「こちらの接し方を変えると、相手からの反応も変わり、とても喜んでいただけます」
──成年後見のお仕事ですと、認知症の方と接する機会も多いと思います。実際にお会いしてから、認知症の方への印象は変わりましたか?
永野さん 最初は認知症の方がどのような行動をされるのかわからなかったし、こちらからもどのように接したらいいのか戸惑っていました。
ですが、ほとんどの方々と普通にコミュニケーションをとることができますし、会いに行けば、こちらの顔を覚えてくださり、帰る時も寂しがられたりもします。人とのつながりを感じて、とてもやりがいを感じています。
──なるほど。では、認知症の方と接するときのコツのようなものをお持ちですか?
永野さん 先日に1級のコミュニケーター研修(※編集者注 2017年7月に受講)があって、コミュニケーションについて学ぶ機会がありました。
その学んだ内容がすべてできているわけではないですが、挨拶や笑顔はやはり大切なことだと再認識しています。
「こんにちは」「何をしていたんですか」など、こちらから笑顔でお声がけする、座っておられたら目線の高さを合わせる。こちらの接し方を変えると、相手からの反応も変わり、とても喜んでいただけます。
──なるほど。お仕事をしていて、相手から喜んでいただけるのはやはり嬉しいですよね。
永野さん そうです。このように嬉しさを感じられるからこそ、いつまでも続けられると思うのです。
認知症予防活動支援士取得のきっかけと決め手
「一番の決め手は、テキストの内容が充実していることでした」
──ここからは認知症予防活動支援士についてお尋ねいたします。この資格を取ろうと目指されたきっかけは何でしたか?
永野さん そうですね、仕事柄認知症の方と接する機会が多いため、昨年の一年間は認知症ケアを学ぼうと、勉強したり資格を取得したりしていました。
──なるほど。
永野さん 認知症ケアを学んだ後は、認知症予防だろうということで、勉強できるところを探していたところ、認知症予防活動支援士を見つけました。
──ありがとうございます。はじめて私たちにお会いしたときはいつ頃でしたか?
永野さん そうですね、サイトを知ってすぐに何かを申し込んだわけではなかったのですが、きっかけになったのは、今年2017年3月に行われた認知症予防のセミナー※1に参加して、次の4月のセミナー※2にも参加しました。
※1 認知症予防事業の将来性と最新の認知症予防研究事例セミナー
※2 認知症予防セミナー:セミナー:認知症の初期症状と軽度認知障害(MCI)
──ありがとうございます。それからセミナーに毎月ご参加いただいており、とても嬉しいです。
永野さん セミナーで講師の先生の講義を聞いて、とてもわかりやすく勉強になりましたので、それなら安心だと思って、認知症予防活動支援士の講座に申込みました。
──なるほど、そうだったんですね。ありがとうございます。その際、受講申込みの決め手になったのは何でしたか?
永野さん やはり、受講条件がなく誰でも勉強できる資格であること、自分の活動イメージに合っていたことで、受講を決めました。
特に一番の決め手は、テキストの内容が充実していることでした。公式テキストを見せてもらう機会があり、実際に見てみると内容が充実していて、この充実さであれば間違いないなあと感じました。
──そのようにいっていただけると、大変嬉しいです。ありがとうございます。
永野さん また、資格の取得者に対して、サポートも用意しようとされている点には安心できました。資格の取得後はサヨナラではなく、組織できちんとしたサポートが用意されている資格は、取ってよかったなと思います。
資格を取得して良かったこと
「高齢者コミュニケーションを学んだことは大変役に立っています」
──取得された資格をお仕事でどのようにいかしておられますか?
永野さん そうですね、日々ご高齢の方と接していますから、研修で学んだ内容は非常に役立っています。挨拶や笑顔、傾聴ということも、非常に勉強になりました。
私の場合は実践する場があるので、高齢者コミュニケーションを学んだことは大変役に立っていますよ。
──ありがとうございます! 認知症予防活動支援士の資格を取得されて、他にもよかった点がありますか?
永野さん 当事者以外にも施設のスタッフ、病院の医師や看護師と話をする機会があるのですが、以前はそうした専門家と話をすると、難しいと感じるときがありました。
認知症の知識があることで、今ではかなりスムーズに話を理解できるようになりましたね。
あなたにとって認知症予防活動支援士とは
「地域のよき相談相手」
──お仕事をする上で大切にしていること、モットーなどがあったら教えてください。
永野さん 「本人に寄り添う」ことですね。成年後見事務は、例えば支援する本人が施設に入られていたら、その施設に電話等で本人の状況確認をすることで済まそうと思えばできてしまいます。
しかし、私は定期的に施設を訪問し、支援する本人の状況確認を怠らないよう努めています。現場に行くことを大事にしています。それを苦ではなく、やりがいに思っているので、続けていますね。
──なるほど、ありがとうございます。そうしましたら、永野さんにとって認知症予防活動支援士とはどのようなイメージになりますか。
永野さん 「地域のよき相談相手」と考えています。そうなるためには自分自身がまず、社会資源がどこにあるのか、どこで相談できるのかなど地域のことを詳しく知ることが大切だと思います。
──なるほど。素晴らしいです。
永野さん また、今後は認知症予防の知識をお伝えする場を作っていきたいという想いがあります。というのも、知識があっても実践しなければ意味がないため、地域の皆さんにお伝えできるようになりたいと思っています。
具体的には地元の図書館、地域包括支援センターとの連携も考えています。一人で行動するのではなく、一緒に連携してやっていけると心強いと感じています。
──私たちも地域の活躍の場と認知症予防活動支援士とをつなげることも使命と感じておりまして、橋渡しの役割も担っていくつもりです。
資格取得を目指される方へのメッセージ
「具体的な活動イメージを持つこと」
──最後に、これから認知症予防活動支援士を目指す皆様にメッセージをお願いします。
永野さん 具体的な活動イメージを持つことが大事だと思います。地域で活かすというイメージがないと、勉強していてももったいない。時代から認知症予防は求められていますので、具体的な目的をもって勉強を始めれば、おもしろいし、勉強のモチベーションも続きます。
笑顔が素敵な永野さん。終始笑顔でインタビューに応えてくださいました。