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認知症の本当の姿に気づく映画『うぉっしゅ』

2025年5月2日より全国順次公開

認知症の本人と家族のリアルを描いた映画『うぉっしゅ』が、いま静かな感動を呼んでいます。
記憶が薄れても、心は通じ合う――。この映画は、そんな“見えない絆”を優しく、力強く描き出します。

認知症は誰にとっても他人事ではありません。
高齢社会を生きる今、身近な人が認知症になることは、誰にでも起こり得る現実です。
それでも私たちは、認知症を正しく知り、理解し、支え合うことで、共に生きていく社会を築くことができます。
映画『うぉっしゅ』は、そうした希望をそっと私たちに差し出してくれる作品です。

■ 物語のあらすじ

主人公の加那は、風俗店で働く若い女性。
ある日、母から突然の連絡が入ります。「一週間だけ、おばあちゃんの介護をしてくれない?」
仕事を隠したまま、昼は祖母の介護、夜は仕事――という“ダブルワーク”の日々が始まります。

祖母・紀江は認知症が進み、加那のこともすぐに忘れてしまいます。
しかし加那は、その「どうせ忘れる」相手にだけ、本音を語れるようになっていくのです。
祖母と過ごす時間の中で、加那は自分自身と向き合い、
そして、祖母の知られざる過去と孤独に触れていきます。

■ 協会からのメッセージ

「認知症という重くなりがちなテーマが、カラフルな映像と音楽でやさしく描かれ、心にすっと届きます。
家族の大切さに気づき、観終わった後はきっと、大切な人の顔が浮かぶはず。
予防や介護のヒントも学べる、温もりあふれる作品です。
この温もりを、ぜひ劇場で体感していただきたいです。」

■ 見どころと制作陣

主演・加那役には、『窓辺にて』や『エルピス』で注目の若手俳優・中尾有伽さん。
祖母・紀江役には、9年ぶりの映画主演となる研ナオコさんが圧巻の演技を披露しています。

監督を務めたのは、永六輔氏の孫であり、前作『安楽死のススメ』で注目された岡﨑育之介氏。
俳優としても『犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン監督)に出演するなど多彩な経歴を持ち、本作は2024年大阪アジアン映画祭にも入選。映画界でも高く評価されています。

■ こんな方におすすめです

  • 認知症の家族を介護している方
  • 認知症当事者と接する仕事をされている方
  • 介護や認知症に関心を持ち始めた若い世代の方
  • 地域共生社会のあり方を考えるきっかけを探している方

■ 劇場で、“大切なこと”に出会える

認知症と向き合う中で、私たちは何を見つけるのか。
本作『うぉっしゅ』は、記憶が消えても、愛やつながりは消えないという“気づき”を与えてくれます。

心に響く物語を、どうぞ劇場でご覧ください。
2025年5月2日より全国順次公開です。

▶︎ 映画公式サイト:https://wash-movie.jp

  • この記事を書いた人

山根一彦 医学博士

一般社団法人認知症協会理事。徳島大学大学院医科学教育学部卒。医学博士。 生体防御・感染症代謝を専門とし、ミトコンドリアの活性化、インフルエンザの重症化等を研究。第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品の開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。 2017年、認知症協会理事に就任。以後、認知症予防に関する講演・執筆活動を行う。2018年より一般の読者向けに無料メール(LINE)マガジンを開始し、現在の購読者は80,000人超え。著書「認知症にならない最強の食事」。

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