「ストレス」という言葉が一般的になってどれくらいが経つでしょうか。
ストレスの語源はもともと”物体にかかる圧力”という意味でしたが、1930年ごろから生理学的に使われるようになり、”精神的や肉体的与えられた負の刺激に反応することによって引き起こされる生体機能の悪変化”として広まるようになりました。
今では”ストレスは万病の元”と当たり前のように認識されるようになりました。
ストレスは脳を蝕み、体を蝕む。知らず知らずに体を支配するストレスを軽減するためにも、現在の自分のストレスをチェックすることが大切です。
ストレスの一般論についての考察とともに、自分自身のストレスもチェッックしてみてください。
「ストレス」が認知症はもちろん身体に及ぼす影響
厚生労働省の平成28年度「過労死等労災補償状況」によれば、長時間労働や強いストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定を受けた人の人数は、498人にのぼります。
これは、15年ほどで約6倍に増えているということです。
労災認定されるほどのストレスでなくとも、現代社会ではストレスを感じる人の数は年々増えていると考えられます。
実は労働の忙しさは高度経済成長期である1954年から1973年ごろまでの方が忙しいとされています。
皆朝から晩まで仕事をし、家では寝るだけということも多々ありました。
なのになぜ現代人はこれほどまでにストレスを感じるのでしょうか?
一つの答えはより高度に複雑化した社会と、インターネット、スマートフォン等の普及、一般化によって自分と外の世界の関わりが直接ではなく間接的になってきたから、という見解があります。
しかしながら今、そしてこれからを生きていく我々にとって、技術の発展は望むべくことも多く、進化をポジティブに利用していくことも大切ですので、その中で心地の良い生き様を探して行くことが重要だと考えます。
話は逸れましたが、
いずれにせよ、過度なストレスは心身を不調に追い込むのは事実です。
ストレスの程度を把握してコントロールしていくことが大切です。
認知症協会ではこのストレスコントロールも認知症予防に重要だと考えていますので、ストレスの原因、発散方法、ストレスを軽減する成分、食べ物等についてはその都度情報発信していきます。
ストレスの原因
ストレスの原因は大きく次の2つに分けられます。
・人生を左右するような大きな出来事
例)家族の死、災害、会社の倒産、失業、借金、離婚、妊娠、入学など
・日々積み重ねるもの
例)苦手な人がいる、金銭のやりくり、満員電車、仕事のミス、騒音、夫婦喧嘩、ノルマ、人間関係、環境の変化など
です。
これらは避けようがないものも多くありますが、出来事そのものがストレスになることもありますし、起きる出来事になんとか適応しようと頑張りすぎて、過剰適応になり、大きなストレスになることもあります。
ストレスで心身に不調を来す理由とは?
ストレスが溜まった時にする行動は、人それぞれです。
イライラして食べすぎる人、お酒にはしる人、便秘や下痢など胃腸の調子が悪くなる人、頭が痛くなる人、呼吸が正常ができないというのは心身が崩壊寸前の危険信号ですが、あり得ることです。
これらのサインが出たら、それはかなりストレスが溜まっていると考えていいでしょう。
現在ではストレスの蓄積が様々な病気を引き起こすことは常識になりつつありますが、ストレスが病気を引き起こすの大きく3つのルートがあると考えられています。
生理的ルート
これは、生理的反応、つまり自律神経、ホルモン、免疫といった体の機能に基づくルートです。
ストレスがかかると自律神経の中でも「交感神経」が緊張した状態にになり、血圧が上昇します。
さらにアドレナリンやコルチゾールなどの「ストレスホルモン」が分泌されます。
「アドレナリン」は、”心身が頑張っている状態”で分泌され、心拍数や血圧、血糖値などを上昇させ、
「コルチゾール」は、”心が我慢している状態”で分泌され、落ち込みや不安を引き起こし、うつ病などの心の病気に繋がります。
自律神経のバランスが崩れると胃酸の分泌が増えて胃や十二指腸に潰瘍ができることもあります。
さらにストレスを抱える状態が長引くと、免疫機能も低下し、様々な病気にかかりやすい状態になります。
行動的ルート
行動的ルートは、ストレスを発散しようとしてする行動の結果で起こるルートです。
飲酒量が増える、やけ食いをする、等がよく見られるパターンです。
もちろん暴飲は肝臓に悪影響ですし、暴食は肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクをあげます。
生活習慣病は認知症のリスクであることは周知の事実です。
情動的ルート
これはストレスそのものといえることですが、
ストレスが溜まるとイライラしたり、気分が落ち込んだり、不安になったりします。
この感情は、脳の深いところにある大脳辺縁系という感情や記憶を司る部分が影響を受け、うまくコントロールできていなことから来るものです。
上記の3つのルートが複雑に絡み合っているため、ストレスが起こると全身に様々な病気が降りかかる可能性が高くなるのです。
ストレスへの反応の違いは?
同じようにストレスを受けていても、あまり変わらない人もいれば、すぐに体調が悪くなる人もいます。
こうした反応の違いの要因として、生まれつきの体質が関係しているという考えもあります。
実際にうつ病などは、脳の中の不安や緊張に関係している物質のもともとの量の違いから発症率に差があるという報告もあります。
体質以外の要因として、生育環境も関係しています。
幼いころの虐待やネグレクト、いじめなどの辛い経験があると、うつ病を発症しやすい傾向があることがわかっています。
反対に適度な愛情を受けながら育った人は、ストレスに対して強いという傾向があります。
しかしながら、生まれつきの体質や生育環境は大きな要因ではあるものの、一番重要なのは今現在からこれからの行動と思考です。
そう考えると、今からでも十分変えることができます。
ストレスを対処するためにまずすること
まずは自分のストレスを把握することが大切です。
早稲田大学の熊野宏昭教授によると、自分のストレスをチェックする簡単な方法があるそうです。
1日の終わりに自分の余力がとの程度残っているかを0〜100%で表し、それを手帳やカレンダーなどに記入してく、というものです。
例えば、「化粧を落とす気力すらない→0%」、「録画したドラマを見る余力がある→60%」といったように、直感で記入していきます。
その日の出来事も合わせて書いておくと振り返るときに役立ちます。
ダイエットもそうですが、ストレスも”可視化”することでイエローゾーンやレッドゾーンが見えてきます。
そして可視化することでレッドゾーンにならないように意識して行動しやすくなります。
自分のストレスの程度を把握することで、休息をとるか行動するかを決め、頑張りすぎないように自分自身をマネージメントしていきましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回はまずストレスの影響からチェック法までをご紹介しました。
具体的なストレス解消方法については、行動、考え方ともに随時ご紹介していきます。
もちろんストレスを軽減したりリラックス効果のある食品、成分、香り等、もたくさん出てきていますのでそちらも紹介してきたいと思います。
無料の書籍には、ストレスを軽減するためにも摂取したほうが良い成分も書いていますので、ぜひダウンロードしてみてください。
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