体の緊張を緩めて心のストレスをほぐす。認知症予防研究協会

認知症予防法

認知症予防にストレス対策!体を緩めて心をリラックスさせよう

以前の記事、「認知症の大敵、ストレスをチェックするべし」

では、ストレスが身体に及ぼす影響とストレスのチェックについて紹介しました。

今回は具体的なストレス対策を紹介していきますが、今回紹介する方法の考え方は、心の状態は体に影響するということを逆手にとって、体の状態をよくすることで心のリラックスにつなげる、というものです。

心のリラックスは認知症予防でも重要ですので、緊張を緩める

ストレス対策で大事な考え方とは?

ストレスが病気を引き起こすには、

・生理的ルート

・行動的ルート

・情動的ルート

の大きく3つのルートがあり、それぞれが複雑に絡まって身体に悪影響を及ぼすと考えれれています。(参照→「認知症の大敵、ストレスをチェックするべし」

となると、ストレス対策とは、それぞれのルートに対策をしていくことになります。

そのための大事な考え方は、「力まず」「避けず」「妄想せず」です。

認知症予防で考えてもこの考え方は非常に重要です。ネガティブなことでくよくよ考えることは、脳を不健康にします。

「力まず」は生理的ルートへの対策

ストレスを感じると、心は緊張し、ガチガチに固まってしまいます。そうすると、体も固くなります。

逆に考えると、体を力まずに緩めていくことが心のリラックスにつながるのです。

「避けず」は行動的ルートへの対策

ストレスが溜まると、暴飲暴食で発散しようとする人がいます。生活習慣に乱れは健康の乱れですのでよくありません。

しかも、行動的なストレスの発散方法は、本当の意味でのストレス発散にならないことがほとんどです。

抱えている問題を避けずに、行動を変えてみることで根本的な解決に近づくことがストレスに支配されないことに繋がります。

「妄想せず」は情動的ルートへの対策

情動的ルートで起こる不調は、脳の中で感情や記憶を司る大脳辺縁系が影響を受け、感情をうまくコントロールできないことが原因となります。

過去への後悔や、将来への取り越し苦労が問題を実際以上に大きく、複雑なものとして捉えさせ、エスカレートしたその妄想がストレスを生み出します。

その場合、心を「今、この時」に向けて現実に起こっていることと、妄想を区別することでストレスを減らしていきます。

実践!体の緊張をほぐして心をリラックスさせよう

ストレスによって緊張や不安があると、その影響で体が固くなります。その逆で心がリラックスしているときは体も緩んでいるものです。

これを利用して、体を緩めていくことで心を緩めて、ストレスを受け流していきます。

早稲田大学の熊野宏昭教授による体を緩める2つのトレーニング方法を紹介します。

 筋肉を緩めるトレーニング

実は筋肉を緩めてストレスを流す方法は非常に簡単です。すぐに実践できますので是非試してみてください。

重要なのは筋肉の緩みを感じることですので、そのためにはまず筋肉に力を込めます。グッと力を込めて、その後にフッと力を抜くと、筋肉が緩むのを感じることができます。

筋肉を緩める場所ですが、額、目の周り、肩がおすすめです。

額の筋肉を緩める

鼻で息を吸いながら顔は動かさず目だけをグッと上に向けます。

次に息を吐きながら力を抜いて軽く目を閉じます。これを5回繰り返します。

目元の筋肉を緩める

鼻で息を吸いながら、目をギューっと力を入れて閉じます。力が入っているのを感じて2〜3秒間キープします。

次に息を吐きながら力を抜いていきます。力が抜けて筋肉が緩んでいくのを感じるように5回繰り返します。

肩の筋肉を緩める

立った状態でも座った状態でもいいですが、背筋を伸ばします。鼻で息を吸いながら両肩を上に引き上げます。

息を吐きながら両肩の力をスッと抜き、ストンと落として筋肉が緩むことを意識します。

これを5回繰り返します。

実はこれらの動作は試合前などの緊張した場面で無意識にやっている動作と同じだったりします。

大事なのは筋肉の緩みを意識して感じることです。そうすれば心も緩んでいきます。

 体を温めるトレーニング

ストレスによって緊張状態が続くと、手足が冷たくなることがあります。これは血流が悪くなるからであって、逆に手足をあっためてあげると、リラックスするというわけです。

ただし、実際にカイロやお風呂で温めるのではなくて、イメージで体を温めていく、という方法が推奨されています。

太ももに手を置いて、その温かさを全身に広げるイメージです。

椅子に座った状態で目を閉じ、力が抜けていく感覚、手のひらの温かさ、指先まで全身温かくなるイメージを描きながら、心に中でも「温かい」と言い聞かせます。

足を温めるときには足湯をイメージします。

この方法は慣れるまで難しいですが、より深いリラックス効果が得られるます。

毎日決まったタイミングでやることでストレスに対する抵抗力を高めて、ストレスの悪影響から心身を守ることができます。


今回はストレスが病気を引き起こすルートの1つである生理的ルートに対して体の緊張をほぐす方法をご紹介しました。

体の緊張をほぐすことで心のストレスを解消していくという考えでしたが、

何かストレスや心が固まってるなと感じたら実践してみてください。

体を緩めて温かいイメージを持つだけでネガティブな感情が薄らいで、意欲的になれます。

これは認知症予防にも有効ですのでふとしたときに思い出してください。

無料の書籍には、ストレスを軽減するためにも摂取したほうが良い成分も書いていますので、ぜひダウンロードしてみてください。

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  • この記事を書いた人

山根一彦 医学博士

一般社団法人認知症協会理事。徳島大学大学院医科学教育学部卒。医学博士。 生体防御・感染症代謝を専門とし、ミトコンドリアの活性化、インフルエンザの重症化等を研究。第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品の開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。 2017年、認知症協会理事に就任。以後、認知症予防に関する講演・執筆活動を行う。2018年より一般の読者向けに無料メール(LINE)マガジンを開始し、現在の購読者は80,000人超え。著書「認知症にならない最強の食事」。

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