認知症発症の原因は人によって様々。それでも”なりやすい条件”はわかってきました。
認知症の患者さんは、65歳以上の人の約15%と推計(2013年厚生労働省研究班による)されていますが、周りに65歳以上の方がいらっしゃったら思い浮かべてください。
実際に認知症を発症されている方もいるかもしれませんが、
もっともっと年配でも曽孫の顔と名前まで全部覚えている方もいらっしゃると思います。
認知症になる人とならない人の違いはなんでしょうか?
この認知症になるかならないかは、脳のゴミたんぱくであるアミロイドβ等の老人斑を見ていても予測はできません。
脳の萎縮は加齢に伴って自然発生的に起こるのである程度の認知機能の低下は避けられません。
それでも脳の見た目が同じでも認知症が発症する人としない人がいる。
一体何が違うのでしょうか?
まず基本的に、認知機能の低下は脳の血流の低下や、酸素不足によって引き起こされることがわかっています。
そのことから考えてみると、認知機能の危険因子は、
糖尿病、高血圧、脂質異常症等の生活習慣病がある人。
喫煙習慣がある人。
心疾患がある人も認知機能の低下と関係があると言われています。
糖尿病の方はアルツハイマー病の発症リスクが2倍になると言われています。
糖尿病は、尿中に本来出ることもない糖分が出ている状態であり、細胞が糖をうまく利用できていないということですが、
溢れるほど利用のできていない血糖は、脳を炎症状態に陥らせ、脳は誤作動を起こし、
アミロイドβを増やすことにつながります。
さらに糖尿病の方は、脂質異常症や肥満を合併することが多いですが、
肥満状態は体の中では慢性的な炎症が生じている状態になっていますから、
それがまたインスリン抵抗性を引き起こして糖尿病に近づく。
そもそも脂質異常症は血の流れも悪くなりますので脳にいく血液もドロドロでつまりやすくなる。
脳にいく血流の流れが悪いと十分に酸素が送れなくなって脳細胞がしっかりと機能しなくなる。
すると認知機能の低下に繋がってしまいます。
高血圧も血管のダメージを起こしたり、言わずもがな脳血管性認知症のリスクは高めますが、
最近ではアルツハイマー型認知症をはじめとする全ての型の認知症になるリスクが高まることがわかっています。
喫煙も脳の血流を悪くするので酸素欠乏に陥ったり、肺機能が落ちると酸素分圧が下がり脳の活動が低下します。
生活習慣病は認知症になるリスクが増えるため、まず生活習慣を見直す必要があります。
そして生活習慣病は30代からぐっと増えて行きます。
生活習慣病という観点からも、認知症の種はかなり早い段階から作られていると言えます。
生活習慣病もあるのに認知症にならない人は何が違う?
60代にもなると、生活習慣病と診断され、糖尿病や高血圧の薬を服用する方はかなり多いです。
それらは大抵が一生飲まないといけない薬だとされています。
しかしそれでも認知症にならない方はいます。
何が違うのでしょうか?
そして、何をしたらいいのでしょうか?
この認知症協会では、様々な人のケースを分析して、認知症の予防に繋がる方法を研究していくことを1つの目標としています。
認知症になりにくくする方法は何なのか?
それは大きくまとめると、
・ストレスを溜めないこと
・毎日楽しんで、知的探究心を持って社交的に生きること
・必要な栄養素を取ること
・適切な運動をすること
・以上を実践することで脳内環境を整える
に集約されます。
これを早い段階実践することが認知症の将来的なリスクを下げることにつながります。
具体的な実例に関しては、随時情報発信してきますので、
是非ご活用ください。
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