アルツハイマー型認知症、アミロイドβの始まりと予防について
認知症について調べていると、必ず「アミロイドβ」という言葉が出てくると思います。
この「アミロイドβ」とは、一体どういうものなのでしょうか。
アミロイドβの発見
20世紀初期、ドイツの医学者アルツハイマー博士は、
生前に妄想や記憶障害のあった患者さんの脳組織を顕微鏡で調べ、
脳内のシミのようなもの(老人斑)、脳の萎縮、脳神経の中に糸くずのようなもつれ(神経原線維変化)を発見しました。
そして、この特徴を示すものを老人性の物忘れと区別して
「アルツハイマー型認知症」というようになりました。
アミロイドβはアルツハイマー型認知症患者の”脳のシミ”
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる脳内のシミ(老人斑)の大部分を構成しているたんぱく質です。
健康な人の脳にも存在していますが、通常は短期間で分解されて排出されます。
しかし、正常なアミロイドβよりも大きく異常なたんぱく質ができてしまうと、排出されずに蓄積されてしまいます。
蓄積した変性型のアミロイドβプラークは、脳細胞を死滅させると考えられています。
記憶の主体である脳細胞が死滅することで物忘れが起きてしまうのです。
なぜアミロイドβは溜まるのか?
では、なぜアミロイドβは溜まってしまうのでしょう。
アミロイドβは、脳内で作られたタンパク質が分解されたものです。分解される時に無害で排出されやすいものと、毒性が強くタンパク質同士がくっついて脳に溜まりやすいものに分かれます。
蓄積のメカニズムについては、まだ全ては解明されていませんが、
老化により分解や排泄がうまくいかなくなると、毒性の強いアミロイドβが溜まりやすくなるといわれています。
脳にシミがたくさんできたら必ず認知症を発症してしまうのか?
それでは、老人斑や神経原線維変化が起こると必ず認知症になってしまうのでしょうか?
実はそうではないのです。
中には、老人斑や神経原線維変化がたくさんあっても、認知症の症状が一切出ないこともあります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症の大きなキーワードではありますが、それだけではないようです。
脳にシミができてからでも認知機能を改善する予防策はある?
アミロイドβだらけの脳でも認知症が発症するかはわからない。
それはもしかしたら認知症は起きているが周りも本人もわからない程度に収まっている、ということかもしれません。
認知症が発症するかどうかは脳内の見た目だけでは判断できないということです。
つまり認知症は、脳の変性、萎縮があったとしても認知機能を正常に保つ方法がある、
ということです。
そしてそれは早ければ早いほど良いでしょう。
詳しくは、
「認知症にならない脳のつくり方」にも書いています。
いろいろ予防する方法があるうちの一つではありますが、
ぜひ一度読んでみてください。