ペットも認知症になる。認知症予防研究協会推奨サプリメントが効果あり。

認知症の基礎知識

犬も猫も認知症になる?!人間だけじゃないペットの認知症

認知症の最大の原因は「老化」ですが、これは人間に限ったことではありません。

犬や猫を代表とする最愛のペットも、認知症を発症することがあります。

今回は少し認知症予防に関する情報と離れているかもしれませんが、犬や猫の認知症について鳥取県鳥取市にあります、ダクタリ動物病院院長の山根誠一先生に話をお聞きしたので紹介します。

ペットの寿命は伸びている

少し古いデータですが、一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2015年の犬の平均寿命は15.8歳、猫は14.9歳となっています。

2010年から比較すると平均で犬猫とも1歳以上の伸びになっています。

これはヒトの寿命に換算すると約4年の伸びとなり、ヒトの約4倍ほど平均寿命が伸びていることになります。

ペットの寿命が伸びた要因

ペットの寿命が伸びた要因はいくつかありますが、特に大きいのは以下だと考えられます。

・動物医療の高度化

ヒトの超高齢化社会と比例して、ペットの家族化が進んでいます。認知症予防の観点から見ても、ペットを飼うことは心の平穏に繋がったり、何かの世話をすることが日々の生活に刺激を与えます。

今やペットではなく家族になっている飼育動物の治療も高度医療を望む人が多く、医療技術の進歩もあり、直接的に寿命が伸びていることが大きいでしょう。

・食事、飼育環境の変化

動物の研究は日々進んでいます。ペットに必要な栄養素や最適な食事がわかってきました。それはペットフードに応用されていて、ペットの種類に応じた餌があるほどです。

飼育方法はすぐにインターネットで検索できる時代になり、飼育環境が改善されれています。室内犬の割合も増え、動物にかかるストレスも減っていると考えられます。

ペットの高齢化による新たな問題

ペットの高齢化に伴って、今まであまり見られなかった病気や症状が現れるようになりました。

その最たるものが認知症です。

ヒトと同様に超高齢化が進むと避けては通れない体の老化の波が押し寄せます。

犬猫の認知症とは?

犬も猫も認知症になることがありますが、犬の方が認知症になりやすく症例も増えています。

認知症になりやすいのは、13歳以上、屋外飼育、犬の場合は日本犬が認知症の発症確率が高いですが、全ての種類に認知症症状は確認されています。

ペットの認知症の症状

ペット、特に犬猫が認知症の疑いがあるときは、以下の症状が現れることがあります。

  1. 狭いところに入って出られなくなる
  2. 飼い主の顔を見ても怯えたような顔をする
  3. ご飯を何度もねだる、又は食べなくなる
  4. 夜鳴きをする
  5. 昼夜逆転する
  6. 感情表現が少なくなる
  7. トイレで排泄できなくなる
  8. 声に反応しなくなる
  9. 痩せていく

これらの症状が複数当てはまったら認知症の疑いが出てきますが、老化によるものもありますので一概に認知症だと判別できるものではありません。

気になる方は動物病院に相談するのがいいでしょう。

ペットの認知症の原因

ヒトの認知症は、アルツハイマー型認知症が最も多く、その原因はアミロイドβ等の異常たんぱくが脳内に蓄積していくことで脳の萎縮が起こることでしたが、犬猫の場合は脳にそれほど変化はありません。

脳自体が小さいため、微小な変化でも認知症症状が発現する可能性はありますが、はっきりとは解明されていません。

ペットの認知症対策とは?

老化によるところも大きいため、ヒトと同様進行した認知症は完治することは現時点ではできません。

そのため、早期発見、早期対策、ペットの場合は特に13歳を迎える前には対策を行う方がいいでしょう。

具体的には、

●必要な栄養素の補給

ヒトと同様に青魚に含まれるDHAやEPAが夜鳴きや夜中の徘徊などの認知症の改善に効果があるということです。

また、抗酸化力の強い食材も活性酸素による細胞への攻撃を防いで脳神経を正常に保つとされています。

●脳に刺激のある遊びをする

認知症になると外に出たがらないペットもいますが、できるだけ外に出してあげましょう。

違う散歩コースを作ったり他の犬と遊ばせたり、刺激のある日常を意識することで、脳が活性化して意欲がでることがあります。

●筋力を維持する

筋力の衰えは認知症の進行を早めます。

ストレスにならない程度にできるだけ運動をさせましょう。

●飼い主であるあなたが元気になる

ペットの親は飼い主であるあなたですので、あなたが元気がないとペットもそれが伝わって元気が無くなります。

明るく笑顔で接して安心感を与えてあげてください。

ペットの認知症対策にはヒトと同様にサプリメントが有効

ペット用の認知症サプリメントもいろいろと発売されており、売り上げも伸びています。

それだけ効果があるということですが、間違えてはいけないのは、サプリメントはあくまで予防、または進行を遅らせる目的で使用されるということです。

一度萎縮した脳は不可逆ですので元に戻ることはありません。

早めに予防、対策がやはり必要になります。

現在出ているペット用サプリメントの認知症予防の根拠となる主成分は、

  • DHA、EPA(血流改善)
  • ヤマブシタケ(脳の栄養素)
  • アスタキサンチン(抗酸化作用)
  • イチョウ葉エキス(血流活性作用)
  • フェルラ酸(抗酸化作用)
  • ビタミンB群(抗酸化作用)

が多く見られます。

これは実はヒトの認知症予防サプリメントと重複しています。

もしかすれば、ヒト用のサプリメントを応用することで、より効果が得られる可能性が十分にあります。


いかがでしたでしょうか。

今回はペットも認知症になるという話題でした。

ペットの認知症も早期対策が大事ということでした。

ペットとお住まいの方は、お互いに刺激し合って認知症予防生活を心がけてみるのもいいでしょう。


今回お話を伺った鳥取県鳥取市にありますダクタリ動物病院ですが、院長の山根誠一先生は、

認知症協会推奨サプリメントがペットに応用できる可能性があるということでモニター検査をされています。

興味がある方はお問い合わせくださいませ。

その他ペットに関する相談もお気軽にどうぞ、とのことでした。

お問い合わせはこちら→ ダクタリ動物病院 鳥取店

  • この記事を書いた人

山根一彦 医学博士

一般社団法人認知症協会理事。徳島大学大学院医科学教育学部卒。医学博士。 生体防御・感染症代謝を専門とし、ミトコンドリアの活性化、インフルエンザの重症化等を研究。第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品の開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。 2017年、認知症協会理事に就任。以後、認知症予防に関する講演・執筆活動を行う。2018年より一般の読者向けに無料メール(LINE)マガジンを開始し、現在の購読者は80,000人超え。著書「認知症にならない最強の食事」。

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