認知症予防の観点からダイエットを考える。認知症予防研究協会

認知症予防法

認知症予防にダイエットのススメ。私はダイエット必要??

認知症協会が考える認知症予防は、

・ストレスのない健康的な生活

・脳への適度な刺激

・体と脳へのバランスの取れた栄養

を基本としていますが、結局これは、特に自覚症状のない健康な状態から意識して健やかに過ごす、ということになります。

認知症は予防が肝心な病気です。”健康は一日にして成らず”といいますが、常日頃から健康意識をもつことが何より大事です。

そのための知識と情報を発信して行きたいと思います。

 

今回は、多くの方が一度は関心を持つであろう「ダイエット」の話題です。糖尿病をはじめとする生活習慣病は認知症の発症率を大きく上げることは既に知られています。

そんな危険な生活習慣病ですが、すでに体型に現れている人はダイエットが必要になるでしょう。

ダイエットが必要かどうかの判断は?

認知症予防の観点から言うと、ダイエットが必要な方は、「肥満」と判断できる方になります。

肥満かどうかの目安にBMIという値が使われますが、体重と身長の値のみを使用しているため、正確性には欠けます。

痩せていても糖尿病の危険性はつきものですが、まずは単純に自分がダイエットが必要かどうかを判断し、対処することが大切です。

BMIの値は目安にならない?!

BMIは、Body Mass Indexの略称で、ボディマス指数とも呼ばれます。

計算式は、
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]

になります。

標準体型は25未満。25以上は体重過多、肥満予備軍と考えられています。

試しに測ってみてください。

18.5から25未満は標準体型とされていますが、

実際は24くらいでも少し体型が気になるくらいになるかと思います。

病気になりにくいBMIは22だけど・・・

病気の発症が少ないBMI値は22と言われています。

そこから逆算すると、適正体重が計算できます。

しかしながら、高齢者の場合は、BMIを気にしすぎて減量すると、筋肉量が減ることがあり、かえって病気を発症しやすいということがわかっています。

ダイエットが必要かどうかは、まず自分の体のタイプを見極めてから考える必要があります。

あなたの肥満のタイプを知る方法は?

今現在肥満な人も、そうでない人も、体重が増加した時にどこに脂肪が溜まりやすいかを知ることが大切です。

チェックその1・・・腹囲を測定してみる

まず最初のチェックは、おへそ周りの長さを測りましょう。

おへその高さにメジャーを合わせて、皮膚の上で直接測定しましょう。

メジャーは床と平行にして、息を吐いたときの長さを測ります。

・男性は85cm以上

・女性は90cm以上

だと、「内臓脂肪型肥満」ということになります。

女性は皮下脂肪がつきやすいため基準値が高めですが、この数値を覚えておきましょう。

チェックその2・・・お腹をつまんでみる

お腹に軽く力を入れて、おへそ周りの肉がつまめるかどうかをチェックします。

内臓脂肪型肥満の基準である、腹囲はオーバーしていないのに、肥満があるという場合は、「皮下脂肪型肥満」の可能性があります。

 

「内臓脂肪型肥満」、「皮下脂肪型肥満」どちらに当てはまってもダイエットは必要でしょう。

両方当てはまっている方は問答無用でダイエットと向き合いましょう。

2つのタイプによってダイエットの仕方も変わってきます。

タイプ別ダイエット目標とは?

肥満は基本的には食べ過ぎ、カロリーの摂り過ぎです。

食べていないようでも間食を多く食べてしまっていたり、量が少なくてもカロリーの高いものを食べていたりがほとんどです。

まずは客観的に自分を振り返ってみましょう。

そういう意味では痩せなければいけないと考えている方にはレコーディングダイエットはかなりの効果を発揮ると考えられます。

そして期間と目標を設けてダイエットを実践しますが、肥満型のタイプによって脂肪の減り方が違いますので目標が変わってきます。

内臓脂肪型肥満のダイエット

内臓脂肪型肥満とわかったら、すぐにダイエットをする必要があります。

なぜなら、内臓型肥満は認知症を発症と関係していることがわかっているからです。

動脈硬化を引き金とする脳血管性認知症はもちろんのこと、因果関係ははっきりとはしていませんが、アルツハイマー型認知症も起こりやすくすると考えられています。

ただし、急激なダイエットは体に悪いので、3〜6ヶ月で体重を3%くらい減らすように意識するといいでしょう。

このわずか3%ですが、これだけで、血糖値や脂質異常症も改善できることがわかっています。

内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて溜まりやすく減りやすいという特徴があります。

体重が減ればまず内臓脂肪から減っていくと考えて良いでしょう。

皮下脂肪型肥満のダイエット

皮下脂肪は内臓脂肪に比べると落ちにくいのが特徴です。

6ヶ月〜1年かけて体重の3〜5%を減らすことを目標としましょう。

皮下脂肪型肥満は、内臓脂肪型肥満に比べて生活習慣病になるリスクは低く、今すぐにダイエットが必要ではありませんが、放置していると体重そのものの負荷で関節の疾患を招く可能性があることは知っておくべきです。

女性に多い皮下脂肪型肥満ですが、女性の場合は肥満があると、月経異常や不妊に繋がりやすいといわれています。

閉経後の女性の肥満は、乳がんの発症を助長することもわかっています。

おへそ周りの肉がしっかりとつまめる人は油断せずに時間をかけて体重を減らす努力をしましょう。


今回は認知症の発症を招くという観点から、肥満体型の考え方からダイエットの指針まで紹介しました。

肥満の指標としてのBMIは、正確ではないですが傾向は掴めます。

最近では痩せすぎも認知症の発症に寄与するという報告もありますので、適正体重をキープすることが必要ですね。

無料の書籍には脳と体を元気にする成分について詳しく書いていますので合わせてお読みください。

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  • この記事を書いた人

山根一彦 医学博士

一般社団法人認知症協会理事。徳島大学大学院医科学教育学部卒。医学博士。 生体防御・感染症代謝を専門とし、ミトコンドリアの活性化、インフルエンザの重症化等を研究。第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品の開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。 2017年、認知症協会理事に就任。以後、認知症予防に関する講演・執筆活動を行う。2018年より一般の読者向けに無料メール(LINE)マガジンを開始し、現在の購読者は80,000人超え。著書「認知症にならない最強の食事」。

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