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脳血管性認知症の危険因子、高血圧の基準が厳しめに変わりました

改定された高血圧治療ガイドライン。認知症予防研究協会

糖尿病と並び生活習慣病とされている高血圧ですが、この高血圧も「認知症」を引き起こす原因になることが、研究や統計から明らかになってきています。

平成26年度の厚生労働省の調査によると、高血圧と診断されている方は全国で1010万800人で、男性より女性の割合が多い、という結果になっています。

高血圧の治療方針は実はころころ変化しています。それは医学の発展において考え方も少しずつ変化するためですが、今年もまたガイドラインに変更があったのでご紹介したいと思います。

大きく変わった高血圧治療ガイドライン重要ポイント2つ

今回5年ぶりに改定となった「高血圧治療ガイドライン」ですが、大きく2つの点が変わりました。

その前にまず血圧の値について簡単におさらいすると、

血圧にはいわゆる上の血圧といわれる「収縮期血圧」と下の血圧といわれる「拡張期血圧」があります。

心臓が収縮したときに動脈に送り出されたる血液の圧力が収縮期血圧となります。心臓の拍動で55%もの血圧を一気に送り出すので収縮期血圧は高くなるのです。
これに対し拡張期血圧は、残り45%の血液が大動脈にたまって膨らんでいる状態からが元に戻ることで血液を末梢の血管にまで送るときの圧力であり、このとき時間がかかって血液が先に送られるため、拡張期血圧も下がります。

上と下の血圧どちらが高くでも高血圧と診断されますが、特に動脈硬化が進行した状態では、大動脈の伸展性が小さく、ここに貯留される血液量が少なくなるので、収縮期血圧は高く、拡張期血圧は低くなります。

多くの高血圧の方は血管年齢の老化によって上の血圧が高くなる傾向にあります。

1、血圧分類の改定

まず1つ目の大きな改定ポイントは、「血圧分類」の改定です。

血圧分類とは、測定された血圧が、正常範囲だが高めか低めか、高血圧範囲であっても危険度はどのくらいか、などを細かく分類したものです。

高血圧と診断される血圧は、

診察室血圧で140mmHg以上かつ/または90mmHg以上

(家庭血圧の場合は上下とも-5mmHgになります。)

で従来通りです。

今回特に大きく変更されたのは、高血圧になる前の分類です。

血圧が上130〜139mmHgかつ/または下85〜90mmHgの場合は、以前のガイドラインでは「正常高値血圧」となっていましたが、

今回から上130〜139mmHgかつ/または下80〜90mmHgで「高値血圧」となりました。

これはつまり、高血圧とは診断されませんが、正常ではないほど高い血圧だということを明確化したことになります。

また、血圧が上120〜129mmHgかつ/または下80〜84mmHgの場合は、従来では「正常血圧」だったが、

上120〜129mmHgかつ/または下80mmHg未満が「正常高値血圧」となりました。

そして上120mmHg未満かつ/または80mmHg未満が、「至適血圧」という言い方から「正常血圧」になりました。

まとめるとより厳格化された血圧分類ですが、皆さんは、

「上120mmHg未満かつ/または80mmHg未満」の正常血圧を維持することが大事になります。

なぜ血圧分類の改定がされたか?

今回の血圧分類の改定には、蓄積されていた臨床研究の結果が現れています。

臨床研究の結果、血圧が高くなればなるほど、それに比例して脳卒中や心筋梗塞などが起こるリスクが高くなることが明らかになりました。

具体的には、「上の血圧が130〜139mmHg」に当てはまる人が世の中には最も多く、そしてこの値の人たちが脳卒中や脳梗塞を発症しやすいということがわかりました。

そしてそれは上の血圧を120mmHg未満」に抑えることによってそのリスクを大幅に下げることができることもわかっています。

2、目標とする血圧がより厳格になった

2つ目のポイントは、降圧目標がより厳格になったことです。

降圧目標とは、高血圧と診断された患者さんが、どれくらいまで血圧を下げるかの目標の値のことです。

以前のガイドラインでは、若年から75歳未満の前期高齢者では、

「上140mmHg未満かつ下90mmHg未満」、

75歳以上の後期高齢者では、

「上150mmHg未満かつ下90mmHg未満」というのが降圧目標でした。

それが新しいガイドラインでは、75歳未満で

「上130mmHg未満かつ下80mmHg未満」、

75歳以上の後期高齢者では、

「上140mmHg未満かつ下90mmHg未満」というより厳しい降圧目標が設定されました。

なぜ降圧目標が厳しくなったか?

降圧目標がより厳格化されたのは、やはり最新の研究の総合的でかつ科学的な分析結果が大きく関わっています。

世界各国の大規模な臨床試験等の結果を踏まえると、「上140mmHg未満かつ下90mmHg未満」に下げることで得られる健康増進効果が一番大きいという結論になりました。

一部医療関係者の中では、年齢が重なるにつれて血管年齢も上がるので、血圧は上がるのが当然で、ある程度血圧は高めのままが自然で妥当だとする見解もありますが、統計ではやはり血圧は上げすぎない方がいいということです。

ただし血圧を下げすぎるとふらつき・転倒リスクがありますので慎重に治療することが大事ですので、血圧が気になる方は医療機関で相談しましょう。


高血圧等の生活習慣病は、認知症の発症を促進したり、認知症を悪化させる原因であることは明らかです。

40代を迎えたら朝晩と血圧を測定することをお勧めします。

無料の書籍には脳と体を元気にする成分について詳しく書いていますので合わせてお読みください。

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コメント

  • コメント (1)

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    • hideo kimura
    • 2019年 7月 18日

    高血圧は、認知症や動脈硬化、脳梗塞、脳卒中に悪い影響を及ぼすのでより厳しいガイドラインに改正されたとの記述。
    以前のガイドラインでは、若年から75歳未満の前期高齢者では、
    「上140mmHg未満かつ下90mm未満」
    75歳以上の後期高齢者では、
    「上150mmHg未満かつ下90mmHg未満」というのが降圧目標でしたが。
    新しいガイドラインでは75歳未満で
    「上130mmHg未満かつ下80mmHg」
    75歳以上の後期高齢者では、
    「上140mmHg未満かつ下90mm Hg未満という厳しい降圧目標に設定された。
    目標値が厳しくなった理由は、世界各国の大規模な臨床結果を踏まえると、
    「上140mmHg未満かつ下90mmHg未満」に下げることで得られる健康増進効果が一番大きい結論になりました。と記されています。
    今から40年以前であれば、家庭で独自に血圧を測る術がなかった時代、医者に診てもらって血圧を測定してもらう以外自分の血圧がいくらなのかを知ることができませんでした。
    その当時、医者に一度、血圧を測ってもらった時の値は自分の血圧だと信じて治療を受けるのが普通でした(当時は年齢+90が標準値)。
    家庭に1台、病院内、職場や、薬の販売店にも血圧計が置かれ自由に血圧が測れる時代です。そこで血圧を測定すると、いつも±3mmHgの範囲で治まるなら問題はないのですが、
    ご存知のように、測っている最中に緊張や、つい過去の大きな失敗、恐怖に襲われたことを思い浮かべて、続けて3度(30秒開けて)測定すると3度とも異なった数値が計測され、上下10mmHgの差が出ることはざらにあります、また1日の測定時間を変え、朝目覚めて10分以内、朝食後、昼食後、午後3時、夕食後7時の測定値を比べると、1日の上下の差が10mmHg~20mmHg出ることもざらにあります。
    正常血圧、降圧目標血圧を設定する場合、どのような条件下で測定する必要があると条件を示さなければ意味のない設定値だと言わざるを得ません。
    年齢を重ねるにつれ血圧が高くなるのは、心臓、腎臓の疾患のため、また動脈硬化等が進み、脳への血流が減少し、脳障害を防ぐために体自身が高血圧を作り出そうとしているからです。適度の運動、食生活の改善(含む減塩)、睡眠、ストレス解消等と根本原因の治療が第一。それらを見過ごして、薬剤で高血圧を下げようとするのは危険であるという文献もあります。
    血圧は下げるな、危険!? 医師「高血圧は作られた病気」
    https://dot.asahi.com/wa/2018030700008.html?page=3

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