認知症と診断される前段階に、「軽度認知障害」という、いわゆる認知症予備軍の状態があります。
この軽度認知障害の段階で認知症かも?!という初期症状を発見できれば、その次の段階の認知症へのステップを大幅に遅らせることができます。
予防は早ければ早い方がいいですが、サインを見極めれば、早く対策が取れます。
日常に起こるちょっとした変化を考えてみましょう。
軽度認知症になると現れる日常の小さな変化。そのサインを見逃さないためのポイントまとめ
軽度認知障害は、認知症の前段階の状態です。
認知症と軽度認知障害の境界線は、
日常生活に支障があるかどうか?
によります。
軽度認知障害は物忘れ等はあるものの、日常生活は何不自由なく送れます。
日本では、軽度認知障害の人が約400万人いると言われていますが、
その軽度認知障害の人の約50%が3〜5年で認知症に進むと言われています。
逆に言えば、この軽度認知障害の段階でも、脳に刺激や栄養を与え、積極的に予防すれば、5年がもっと先延ばしにできる可能性があるということです。
それにはできるだけ早い段階で初期症状のサインを気づくことが大切になります。
それでは初期症状のサインを具体的に場面ごとに見てみましょう。
思い当たることがないか、同僚や家族から指摘されたことがないかチェックしてみてください。
仕事のときの初期症状サインの例
- 同じ質問をしていることに気がつかない。
- 確認の回数が増えた。
- ネクタイが結べなくなった。
- 新しい機器の使い方が覚えられない。
- 昨日できたことができない。
- 新人の名前が覚えられない。
などなど・・・
軽度認知障害では、物忘れが頻繁に起こるようになります。
記憶力や判断力も低下していますので、新しいことを覚えるための労力が今まで以上に必要になります。
そうなると、新しいことにチャレンジする意欲が失われます。
今までできたことがなぜか突然できなくなって、全くわからなくなるのも
軽度認知障害の初期症状のサインです。
料理をするときの初期症状サインの例
- 手の込んだ凝った料理を作らなくなった。
- 食材の買い忘れがある。
- 味付けが変わってきた。
- 鍋を焦がすことがある。
- リクエストに応えらえない。
- 目的の料理が作れずに変更になる。
などなど・・・
手の込んだ料理はそれだけ工程が多く、難易度も上がります。
判断力が鈍るため、料理を完成させるのが難しくなります。
意欲そのものも落ちるため、料理そのものがめんどくさくなり、
作る回数が減ることも多いです。
味付けはだんだん濃くなってくることが多いようです。
自分では濃くしたつもりでなくても、家族に指摘された場合は要注意です。
アルツハイマー型認知症では、その初期症状では記憶より先に嗅覚が衰えるということがわかってきましたが、
それに伴って焦げた匂いもわかりにくくなります。
料理をしていることそのものも忘れてしまうこともあります。
料理をしている最中に、何を作っていたかがわからなくなり、レシピを変更することがあります。
外出して人に会うときの初期症状サインの例
- 服装に気をつかわなくなった。
- 約束の時間や場所を忘れる。
- 約束を忘れていて、慌てて家を飛び出すようになった。
- 外出が面倒になった。
- 靴を左右履き間違える。
- 靴下を履いていないことに気づかない。
などなど・・・
意欲が低下するので、外出そのものが嫌になります。
外出した先で、認知障害が出ないか心配で出たくなくなることも考えられます。
おしゃれな人が服装に気をつかわなくなったりすると要注意です。
判断力が低下しているのが、おしゃれの感覚もずれることがあります。
人と会う約束そのものは覚えている、というのが認知症と軽度認知障害の違いです。約束をうっかり忘れてしまうことが増えてきたら要注意です。
その他の代表的な初期症状サインの例
- 財布に小銭がたまるようになった。
- 好きだったものが急に嫌いになる。
- 洗濯物の干し忘れがある。
- ドラマが見れなくなる。
- 読書好きだったのが本を読まなくなる。
- 物をよく失くす。
- 怒りっぽくなる。
などなど・・・
洗濯していることを忘れるので洗濯物を干し忘れることがあります。
ストーリー展開についていけないので、ドラマは見てもわからなくなります。
興味そのものが薄れていきます。
財布に小銭がたまっていくのは、細かい計算が難しいからです。
とりあえずお札で払うようになります。
いかがですか?
若くても少しは当てはまるものがあったかと思います。
軽度認知障害では、これらの初期症状が頻繁になったり、急に増えたりします。
周囲の方が困ったりすることがあるのも特徴です。
軽度認知障害の初期症状サイン。認めるのは勇気がいる
軽度認知障害の一例をいろいろ挙げてみましたが、大抵の場合、
本人よりも家族等の周囲の方が違和感を覚えます。
本人は自覚がないことが多いですが、周囲と話が噛み合わなくなったり、
昨日までできていたことができなくなったことにより焦りや苛立ちは、
恐怖に変わります。
意欲も低下するので、ますます症状が進行します。
周囲の方のサポートが必要になりますので、本人もあやしいな?と感じたら勇気を持って相談することが大事です。
これからは自分も含めたほとんどの人が認知症を発症する超高齢化社会であると認識する
平均寿命は年々伸びていますが、平均寿命の伸びに対して、介護を必要としない「健康寿命」はあまり伸びていません。
これから日本は超高齢化社会になりますので、認知症の方は増える一方です。
もちろん私もその可能性は十分にあります。
認知症は怖い病気ではなく、誰もがなる可能性がある寿命が延びたことで起こる必然の病気とも言えます。
その一方で早期発見すれば予防も対策もとれる病気でもあります。
早期発見のための定期的な検査と、認知症発症を遅らせるための
早めの予防を心がけましょう。
認知症予防の必須の知識を書いた、今だけ無料の書籍も是非お読みください。
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