抗認知症薬について解説します。

抗認知症薬 認知症治療研究

認知症治療薬、抗認知症薬の実際!認知症で処方される薬の効果は?

アルツハイマー型認知症の薬とは?

今回は、2018年の時点で一般的によく処方される認知症の薬を紹介します。

認知症は世界的な問題ですので、その根本的な治療薬の開発は、

医薬品業界でも優先順位は高く、日々研究されています。

にも関わらず、現時点では明確に認知症を”治す”ような薬は世に出ていません。

今現在処方されているのは、”進行を抑える”薬であり、アルツハイマー型認知症の主要因の1つであるアミロイドβを除去するような薬ではありません。

具体的な薬の解説に入る前に、まずは治療の基本からおさらいしてみましょう。

認知症の症状と治療

アルツハイマー型認知症とは?

認知症は、血管性認知症や、レビー小体型認知症などの種類がありますが、現在患者数がもっとも多いのは、アルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβたんぱくやタウたんぱく等の異常たんぱく質が蓄積して、神経細胞が障害されていく病気です。

進行性の病気で、障害された神経細胞はどんどん動きが弱くなり、死滅し、脳が縮んでいきます。

死滅して縮んだ脳は、基本的に元に戻りません。

それは現在処方される薬をもってしても、元には戻らないのです。

認知症の前段階である、日常生活には支障をきたさない軽度認知障害の段階でも、脳の神経細胞に障害が起こっています。

その大元であるアミロイドβ等の異常たんぱくは、軽度認知症障害のずっと前から蓄積が始まっているのは、紛れもない事実なのです。

認知症の症状と治療

認知症の症状には、脳の神経細胞の障害が原因で起こる認知機能障害(中核障害)と、認知機能障害のために周囲の方や環境への関わり方の中で生じる行動・心理症状(BPSD)があります。

具体的な症状は、

認知機能障害・・記憶障害、時間・場所や状況判断能力の欠失など

BPSD・・妄想、幻覚、抑うつ、睡眠障害、暴言、暴力、徘徊など

です。

症状が進行していくと日常生活が困難になり、重症になると、歩行や嚥下などの運動機能も失われていきます。

認知症の治療では、状況に応じた治療が必要になります。

ケアやリハビリテーションと合わせて、薬物療法が行われます。

アルツハイマー型認知症で使う薬は?

認知症に使う薬、いわゆる”抗認知症薬”は、現在のところ4種類の薬があります。

その作用の仕組みから、コリンエステラーゼ阻害薬と、NMDA受容体拮抗薬の2つに分けられます。

抗認知症薬は、脳の神経細胞間の情報伝達を活発にすることで症状を改善しますが、病気そのものを治したり、進行を止めたりはできません。

ですが、一時的には認知機能を改善し、症状の進行を遅らせることが期待できるため、現在広く使われています。

●コリンエステラーゼ阻害薬

アルツハイマー病では、神経伝達物質の1つであるアセチルコリンが減少して、情報伝達能力が減退します。

コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンを増やします。

すると、脳が活性化して意欲ややる気を高めると言われています。

コリンエスエラーぜ阻害薬には、飲み薬だとドネペジルやガランタミン、貼り薬だとリバスチグミンの3種類があります。

ドネペジルは軽度から重度、ガランタミンとリバスチグミンは軽度から中等度のアルツハイマー型認知症に処方されます。

ドネペジルに関しては、レビー小体型認知症にも適応があります。

●NMDA受容体拮抗薬

アルツハイマー病では、脳の神経細胞を興奮させるグルタミン酸という神経伝達物質が過剰に放出されていることが多いといわれています。

グルタミン酸が多くなって、それを受け取る神経細胞が過剰に刺激されると、神経細胞の活性が弱くなったり、死滅したりします。

NMDA受容体拮抗薬は、グルタミン酸を受け入れる受容体に蓋をすることで、過剰な刺激を減らして、神経細胞の障害を防ぐ効果を期待したものです。

過剰な興奮を沈静化するので、イライラや興奮を抑えます。

NMDA受容体拮抗薬は、メマンチンという薬のみで、中等度から高等度のアルツハイマー型認知症に適応があります。

コリンエステラーゼ阻害薬と併用することもしばしばあります。

 抗認知症薬の副作用は?

実は抗認知症薬はその副作用がしばしば問題になります。

●コリンエステラーゼ阻害薬の副作用

コリンエステラーゼ阻害薬の主な副作用は、吐き気や嘔吐、食欲低下、下痢などの消化器症状です。

脳の働きが活発になるため、初回服用時や、増量時にイライラしたり怒りっぽくなることもあります。

●NMDA受容体拮抗薬の副作用

NMDA受容体拮抗薬の主な副作用は、ふらつき、めまい、眠気、頭痛、血圧上昇、便秘、食欲低下などです。

特に問題なのがふらつき、めまいや眠気で、転倒して骨折することもあります。

その他両抗認知症薬共に、持病のある方は慎重な投与計画が必要です。

抗認知症薬は効果があるのか?

抗認知症薬という認知症に適応のある薬は現在のところこの4種類しかありません。

しかも全てが脳の神経細胞が死滅する原因であるアミロイドβなどの異常たんぱくの産生を防いだり、除去したりする根本治療でなく、

神経伝達物質を増やしたり異常な興奮を抑えたりする緩和治療といえます。

抗認知症薬を使っても、アルツハイマー病認知症そのものの進行は止められません。

薬によって若干進行は抑えられますが、進行は止められないので、あたかも薬が効いてないように見えることが多く、

それに加えてふらつきや食欲不振等の副作用で、転倒して寝たきりになったり、体そのものが弱っていくリスクが高いのが現状です。

効果があるかないか、と言われれば難しいところですが現在の抗認知症薬はそんなものだ、という危機感は拭えないでしょう。

現在開発が進められている薬には、アミロイドβやタウたんぱくを減らすような根本治療薬があります。

ただし、根本治療薬も、脳の萎縮が進んでしまってからでは効果は期待できません。

いかに早期発見早期治療、むしろ早期予防が重要かおわかりいただけたでしょうか。

抗認知症薬から読み解く早期予防方法とは?

認知症は世界規模の医療問題です。にも関わらず、”認知症を治す”薬はありません。

一旦萎縮した脳を元に戻すことはできず、その原因は認知症発症の20年以上も前から少しずつ蓄積していきます。

発症前から飲む予防としての医薬品は現実問題作るのはハードルが高く、何年先になるか未知数であり、保険適応上もいろいろと問題になるでしょう。

それなら症状が出る前にしっかりと認知症予防になる生活習慣を送る方が賢明な判断だといえます。

 

たとえば先ほどの抗認知症薬であるコリンエステラーゼ阻害薬は、

アセチルコリンを増やすのが目的ですが、アセチルコリンを増やすならその原料であるコリンを増やしても同じ効果が期待できます。

そしてコリンは、卵黄やレバー、大豆、にしん、ナタネ、ヒマワリの種等に多く含まれています。これらは「コリン食」とも呼ばれ、さらに牡蠣などに含まれるビタミンB12と一緒に摂取するとより効果的と言われています。

また、NMDA受容体拮抗薬は、グルタミン酸の過剰放出による刺激を抑えるのが目的でしたが、

鳥の胸肉等に含まれる「L-カルノシン」にもグルタミン酸の過剰放出による刺激を抑えるということで注目されています。


認知症の予防とは?

今回は、抗認知症薬をご紹介しました。

現状では、認知症と診断されれば、ケアやリハビリがメインで、薬は多少の効果を期待する程度となっています。

認知症は、はっきりと症状が表れるまでが勝負の、”予防が主”の病です。

体力の充実、精神の充実、知能の充実、栄養の充実を心がけて日々生活することが大事と言えるでしょう。

特に、すぐに実践できる食生活の見直しや足りない栄養の補給は、今すぐ始められる認知症予防です。

日々の食事に不安がある方は、足りない栄養補給や体力の向上に、サプリメントを活用するのも認知症予防に繋がると考えられます。

認知症協会では、独自に認知症予防効果が期待できる製品にDPR認証を行っています。

現在のところ、まだサプリメントは1つしか認証していませんが、取りこぼしのないマルチな栄養補給と、信頼できるエビデンスが認められる成分を配合し、安全を考慮したものを評価して認証しています。

→認知症協会推奨サプリメント

認知症協会では、引き続き認知症予防についての情報を発信していきます。知識を求める、という姿勢は立派な認知症予防活動です。

ぜひ参考にしてください。


 

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