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記憶障害が軽い認知症とは?見逃してはいけない前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症について考える。認知症予防研究協会

認知症には大きく4つのタイプがあります。

・アルツハイマー型認知症

・脳血管性認知症

・レビー小体型認知症

・前頭側頭型認知症

です。

今回は、4つの中でも最も見逃しやすい認知症と言われる前頭側頭型認知症について概要から治療法まで紹介します。

物忘れない認知症、前頭側頭型認知症とは?

前頭側頭型認知症の前頭とは、脳の前頭葉であり、側頭とは、脳の側頭葉のことです。

この前頭葉や側頭葉の前方を中心として萎縮が起こる認知症を前頭側頭型認知症といいます。

前頭葉は、問題を解決する能力や、計画を立てたり行動を起こしたりする能力に関わるところで、側頭葉は、言語、記憶、聴覚に関わっています。

前頭側頭型認知症は65歳未満で発症する若年性認知症の中では3番目に多く、アルツハイマー型認知症に比べて若年で発症する傾向にあります。

海外では遺伝の可能性も認められますが、日本では遺伝との関連性は薄いと考えられています。

前頭側頭型認知症の症状がないかチェックしてみよう

それでは、前頭側頭型認知症の症状がないか下記の内容をチェックしてみましょう。

  1. 同じ行動や同じ言葉を繰り返すことが多くなる
  2. 毎日同じ時刻に習慣のように同じ行動をとる
  3. 同じ食べ物、甘いものにこだわる
  4. 周囲の状況にかかわらず、突然立ち去ってしまう
  5. 万引きや交通違反を繰り返す
  6. 無遠慮で身勝手とも思える行動をとる
  7. 周囲の出来事や自分の格好などに無関心
  8. ぼんやりとして何もしない
  9. 言葉の意味がわからない、言葉が出にくい
  10. 物忘れは目立たない

前頭葉には、社会に適応するために本能を適度に抑制する働きがあるので、前頭葉が萎縮し、本能の抑制が解放されるために様々な症状が起こります。

1〜3のような特定の事柄を繰り返す「常同行動」が起きます。

4〜5のように脳が特定の刺激に反応して行動しているので、行動を抑制すると怒ることがあります。状況に自分を合わせることができなくなるために、万引きや交通違反を繰り返すことがあります。

6〜7は、他者の気持ちを推測したり共感したりする働きの低下と言えます。

8は、認知症の状態が進行したとき、前頭葉の萎縮によって起きることがある症状で、周りの方からすると、一見おとなしくなったようで病状が落ち着いたと勘違いするところでもあります。

安心して放っておくと心身ともに弱っていきます。

9の症状は、側頭葉の働きが低下するために起こります。

物忘れ症状が軽いことが前頭側頭型認知症の特徴

前頭側頭型認知症の特徴として、物忘れ症状が強く出ないことがあげられます。

そのおかげで周りの人も認知症であると思わずに、性格が変わった、とか、難しい人になった、と言われることがあります。

認知症の中には物忘れがわかりにくい認知症もあるということを知識として頭に入れておきましょう。

前頭側頭型認知症に対するケアの仕方は?

前頭側頭型認知症は上述したような特徴があるため、患者さんの周りの方は、「適切の接し方」が求められます。

●自然体で接する

本能の制御が効かない行動をすることがあるので、周りの方も緊張気味になることが多いです。できるだけ自然体で接して患者さんの感情を安定させてあげましょう。

●しっかりと行動を観察する

前頭葉や側頭葉の萎縮の度合いは患者さんごとに異なりますので、個人に的したケアを見つけるためにはしっかりと行動を観察をすることが大切です。

毎日どのように行動し、興味を持つのは何か、行動パターンの特徴を知りましょう。

注意すべきは、歩き回る行動は放置してはいけません。疲れていても歩き続けることがあるので、転倒しないように、休息が取れるように工夫が必要です。

●患者さんの過去の歴史を振り返る

患者さんのこれまでの人生にケアにヒントが見つかる可能性があります。

お話は真摯に聞いてあげましょう。

言葉だけで気持ちが伝えることが難しくなった場合は、絵やジェスチャーで伝えていきます。

●環境を整える

前頭側頭型認知症の患者さんは、周囲の環境によって刺激を受けることで、不安定になることがあります。

静かで集中できる環境を整えてあげることが大切です。

以前得意だったことや、仕事でしていた作業などは集中して行えることが多いです。

●強制はしない

前頭側頭型認知症は物忘れが出にくい認知症です。

つまり記憶力は他の認知症に比べて衰えていないと考えられるので、嫌な記憶もしっかりと残ってしまいます。

無理強いや強制をせず、得意なことを生かしてもらって感謝を伝えてあげましょう。

●ルーチン化療法

患者さんの症状を上手に受け止めて治療に応用するのがルーチン化療法です。

具体的には、生活していく上で困る常同行動を、日常生活に支障を来さないものに置き換えていくという治療法です。

例えば、毎日同じ時間に散歩に行って、同じジュースを買って飲む常同行動があるとします。

毎日ジュースを飲むので健康に問題が生じたとすると、散歩んの行き先をデイサービスに変えるとか、得意な折り紙や編み物等、患者さんの好きな活動を見つけます。


いかがでしたでしょうか?

物忘れが少なく、それでいて我が道を行くような行動をする前頭側頭型認知症ですが、若年性認知症の中では決して珍しい病気ではありません。

知識として頭に入れておいて損はないでしょう。

原因としてはまだはっきりとわかっていないものの、異常たんぱく質の蓄積によって少しずつ前頭葉と側頭葉の神経細胞が壊れて萎縮している可能性も指摘されています。

治療法も確立されていないので、治療薬もありません。

認知症予防研究協会では、全ての認知症に対しても重要なのは今から行える予防と対策だと考えています。

そしてその方法は全ての認知症に対して有効であるべきだと考えています。


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