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生活習慣病と認知症。今さらですが、知っていますか?糖尿病

糖尿病と認知症。

認知症の危険因子として代表的なのが”生活習慣病”です。

生活習慣病は脳血管性認知症の原因になるだけでなく、アルツハイマー型認知症の要因となることがわかっています。

特に中壮年期(45〜64歳)の生活習慣病は、アルツハイマー型認知症の発症に深く関わっているという研究結果が多数報告されています。

したがって、生活習慣病を防ぐことは、間違いなく認知症を予防することができることになります。

逆に生活習慣病の治療薬が認知症の症状を改善するというような研究もされており、生活習慣病の改善が予防だけでなく、認知症の治療にもなることがあり得るということです。

生活習慣病にならない生活が認知症予防生活

心身ともに健康に保ちながら齢を重ねることは、認知症予防の観点からも重要です。

しかしながら認知症のタネが育つ40代は、仕事や子育てにストレスがかかる時期でもあります。

多忙な中で少しでも自分の健康に目を向けることが、認知症予防のカギとなりそうです。

生活習慣病とは?

生活習慣病という言葉が浸透してかなりの時間が経ちましたが、ありふれている言葉のため、実際生活習慣病が何なのか分かりづらくなっています。

ここで整理しておきましょう。

厚生労働省のホームページにリンクされているスマートライフプロジェクトによると、

生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」のことです。

具体的には、

インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病、肺扁平上皮がん、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等アルコール性肝疾患等と羅列していますが、疾患名はもっとでてくるでしょう。

要は、生活習慣で発症もしくは進行する疾患群ですので、これから医学的な見解が変わっていけば変化するものでもあります。

個人的な意見としては、世の中の薬が必要な疾患の多くは生活習慣によるもので、生活習慣の乱れから起こるストレス、睡眠不足や免疫力低下などが大きく関与していると考えています。

もちろん認知症も”3型糖尿病”と言われるほど生活習慣の影響をかなり受けますので、生活習慣病の一種と言っても過言ではないかと思います。

 糖尿病を知ろう

生活習慣病は認知症の発症、進行に大きく関与します。

今回は特に認知症と関係の深い生活習慣病である糖尿病について紹介します。

生活習慣病予防生活は、認知症予防生活でもあるので、糖尿病を知ることでしっかりと対策を行いましょう。

糖尿病とは?

ここではインスリン欠乏症である1型糖尿病ではなく、生活習慣病による2型糖尿病について取り上げます。

糖尿病(Diabetes mellitus, DM)は、血液中のブドウ糖の濃度が慢性的に高くなる病気です。

文字通り病態が進行すると、尿に糖が溢れ出るので尿は甘くなり、蟻も寄って気ます。そもそも糖尿病の英単語であるDiabetes mellitusは、甘い水分が溢れ出すという意味があります。

ブドウ糖は、炭水化物をとることで体内に取り込まれ、形を変えて肝臓、筋肉、脂肪組織に蓄えられます。

そして血液によって全身に運ばれ、細胞を動かすエネルギー源として使われます。

ブドウ糖を蓄えるには、血糖値を下げる唯一のホルモンと呼ばれるインスリンの働きが必要不可欠です。

インスリンの作用が低下すると血液中に過剰にブドウ糖が増えて、血糖値が高くなってしまいます。

なぜインスリンの作用は低下するのか?

インスリンの作用が低下する原因は、大きく2つに分けられ、

・インスリンの分泌量の不足

・肥満や運動不足、脂肪の取りすぎによるインスリン抵抗性

の2つです。

進行した糖尿病の治療は、自分自身にインスリン注射を打ち込むことになるのですが、

そこまでになってしまう前に予防することが大切です、

インスリンの作用を低下させないためには、

上記2点の問題の逆、つまりインスリンをたくさん出して、肥満解消に適度な運動をして食事に気をつければいいことになりますが、はいできます!とはなりませんよね。

生活習慣はなかなか変えることができないところに、生活習慣病の怖さがあります。

ちなみにインスリンをしっかり出す腸のホルモンとして、インクレチンが有名です。

インクレチンは腸に存在していて、膵臓に働きかけてインスリンを分泌するように促します。

そのインクレチンは腸内細菌が増えるとさらにインスリンが出るように働きかけるので、腸内細菌を増やしたり炭水化物を後に食べてりすることが、インスリンの出方に関係してくるということもわかっています。

さらに余談ですが、風邪で熱が出たときに処方されることもある抗生物質ですが、腸内細菌にかなりダメージを与えることがわかっています。

はっきりとしたデータはありませんが、糖尿病と”特に長期的に抗生物質を使用すること”は悪影響というような雰囲気はあると考えられます。

なぜ高齢になると糖尿病罹患率が高くなるのか?

老化により膵臓からインスリンを分泌する力が弱まることが知られています。

糖尿病が強く疑われる人は、40代の4.2%から徐々に増えていき、50歳代では10.8%、70歳以上では21.8%と加齢に伴って段階的に増えていきます。(平成27年 国民健康・栄養調査)

その原因は、加齢に伴って内臓脂肪が増えることでインスリンの効きが悪くなることや、筋肉量の低下や、身体活動の低下によってインスリン抵抗性が高まることが主な原因です。

逆に考えれば、糖尿病の発症を抑えるには、内臓脂肪を蓄えないこと、筋肉量を維持すること、身体活動レベルを保つことが重要ということです。

高齢者の糖尿病は様々な病気と絡んでくるので要注意

糖尿病といえば、その合併症が問題となります。

糖尿病の3大合併症は、

・糖尿病性網膜症

・糖尿病性腎症

・糖尿病性神経障害

です。

糖尿病性網膜症は、中高年の失明の原因の第2位となっています。

糖尿病性腎症は、透析療法を導入する原因の第1位です。

糖尿病性神経障害は、進行すると壊疽を起して足を切断することにもなる合併症です。

ただ、高齢者はこれ以外にも注意をしなければならないことが増えていきます。

●食後高血糖

食後は誰しもが血糖値が高くなりますが、糖尿病のある人では食後の血糖値が高い状態が長引くことがあります。

この状態を繰り返すと、動脈硬化が進むといわれています。

高齢になるにつれて、食後高血糖が起こりやすくなるので、

・食事をゆっくり食べる

・食物繊維を多くとる

・炭水化物は最後に食べる

・薬やサプリを使う

などの対策によって食後の血糖値を下げることが大切です。

●老年症候群

加齢に伴って心身に現れる様々な症状を老年症候群と言いますが、75歳以上の後期高齢者では多く起こります。

主なものに、認知機能の低下、ADL(日常生活動作)の低下があげられます。

これらが低下すると、買い物や食事、薬の管理ができなくなりますので、適切なサポートを受ける必要があります。

筋肉量が低下するサルコペニア、転倒、骨折、うつ症状、低栄養、尿失禁なども老年症候群です。

老年症候群の原因は、高血糖や低血糖などの血糖コントロール不良、運動不足、低栄養、サポートの不足が考えられています。

糖尿病のある高齢者は、糖尿病のない高齢者の約2倍、老年症候群になりやすいとされています。

加齢とともに起こる老年症候群にさらに認知症も加わると、壮絶で不安な生活が想像できます。

生活習慣病を防ぐには、今から生活習慣を変える必要があるのです。

血糖コントロール目標は?

糖尿病の診断基準は、国立国際医療研究センター糖尿病情報センターの「糖尿病の新しい診断基準」に詳しく載っています。

我々が問題視する認知症予防に繋がる血糖コントロールの目標については、

わかりやすくヘモグロビンA1cの値を指標にしましょう。

ヘモグロビンA1cというのは、血液中の赤血球の中のヘモグロビンというたんぱくがブドウ糖と結合している割合を示したもので、過去1〜2ヶ月の血糖の状態を反映しています。

したがって、このヘモグロビンA1cを健康診断等で測定することで、現在の自分が糖尿病になりそうかどうかわかります。(ヘモグロビンA1cの値が高いだけでは糖尿病とは診断されません。)

具体的な糖尿病に関するヘモグロビンA1cの値は65歳未満の成人で、

・正常型 5.6%未満

・要注意 5.6%〜5.9%

・糖尿病が否定できない 6.0%〜6.4%

・糖尿病型 6.5%以上

となっています。

(糖尿病診療2010 日本医師会雑誌 vol 139特別号(2) S32-S35)

65歳以上の高齢者になると、加齢に伴って自然とヘモグロビンA1cも上がることと、低血糖のリスクも命に関わることがありますので、より安全を重視したコントロールを目標に、ヘモグロビンA1cは7.0%未満とされています。

薬を飲んでいるかや認知機能やADLの状態によって、さらに細かく規定されていますが、成人正常値の5.6%を覚えておきましょう。


いかがでしたでしょうか?

今回は、認知症の発症に大きく関わる生活習慣病から、糖尿病の概要について紹介しました。

糖尿病と認知症については最新研究や予防法もまだまだ知るべきことがありますので、また紹介させていただきます。

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