認知症予防研究協会。アサーションでストレスを上手に受け流そう。

認知症の危険因子 認知症予防法

日々のストレスの原因は対人関係にあり?アサーショントレーニングでストレスを回避しよう。

現代社会では多くのストレスに晒されています。

このストレスは小さいものでも体の中に悪影響を及ぼし、認知症をはじめとする様々な病気のタネになることがわかっています。

ストレスが心身を蝕んで行くルートは、「認知症の大敵、ストレスをチェックするべし」でも紹介しましたが、「生理的ルート」、「行動的ルート」、「情動的ルート」があります。

ストレスで心身を守るためには、それぞれのルートに対応した対処法が必要です。

しかしながらそれより大切なのは、ストレスそのものが起きないようにする、ストレスをストレスだと感じなくする、というストレスに対する根本治療ではないでしょうか?

対人関係のストレス軽減!アサーショントレーニング

ストレスの原因として多いのは、学校や職場、他いろいろな場面での人間関係やコミュニケーションに関わるものです。

なかなかストレス原因である社会との関わりをいきなり断つことは難しいので、そこからのストレスを軽減する方法が必要となりますが、まずストレスの発生原因を考えてみましょう。

嫌な上司や先輩、先生がいる、自分だけ不利に扱われている、馴染めない、友達ができない、いろいろと考えられます。

より掘り下げて考えると、「思っていることをうまく伝えられていない」とか、「嫌なことをはっきり断れない」といった小さいようなことの積み重ねが大きなストレスとなっていきます。

そういう場面で、自分の言い分だけを頑なに主張したり、逆に我慢して他人の意見に支配されても、人間関係の悪化やストレスに繋がります。

特に自分の思ったことや疑問に思ったことを言わないでいると、不安や緊張が高まってしまい、大きなストレスになることがわかっています。

 そうした人間関係のストレスをできるだけ作らないようにする方法に、アサーショントレーニングという方法があります。

アサーションとは?

アサーションとは、”上手な自己表現”という意味です。特にアサーショントレーニングとは、自分も相手も大切にしながら。上手に自己表現する方法を身につけるトレーニングということになります。

大手の企業に入社した後の新人研修や、ビジネス講座では馴染みがあるトレーニングですが、人は少なからず誰かと関わらなければ生きてはいけませんので、誰にでもあったほうがいいコミュニケーションスキルの1つです。

 

アサーションの基本は、相手の立場や考え方を尊重しつつも、自分の主張をしっかりと伝えるということです。

人によってコミュニケーションのタイプは異なります。

 

1、自己主張が激しく攻撃的に意見を述べる人

2、相手の意見を尊重しすぎて自分の主張を出せない人

3、相手の意見と自分の意見を大事にし、バランスをとろうとする人

 

アサーティブな考え方とは、3番のような攻撃的でも受動的でもないコミュニケーションをするための考え方です。

この考え方が身につき、実践できると、強く主張する人に無理に押さえつけられて我慢するストレスが軽減されます。

アサーティブな表現の仕方を身につける

アサーションでは、状況に応じたアサーティブな表現を使えるようにします。

そのためのポイントは以下の4つがあります。

  1. 現在の状況を客観的に説明する
  2. そのうえで、自分の気持ちを伝える
  3. さらに、相手の気持ちを尊重し大事にする
  4. 代替案を出して相談する

 

このポイントを押さえた表現をすることで、自己主張しているのに柔らかな印象になり、コミュニケーションの円滑化が図れます。

例を挙げてみましょう。上記のポイントを踏まえて、自分ならどう返答するか考えながら読み進めてください。

 

例1)家庭での出来事

・妻から夫

「19時頃帰る」という夫に合わせて食事やお風呂の準備をしたあなた。でも結局帰ってきたのは22時頃。連絡もないことに不満が溜まったあなたの言動は?

→つい「連絡もなしに待たせるなんてありえない!」などのストレス感情を真っ先にぶつけてしまいがちですが、

  1. 帰ってくる時間に合わせて準備をしていた
  2. せっかくの食事が冷めてしまって悲しい
  3. 仕事が忙しくて大変なのは承知している
  4. 一言だけでも連絡してくれるとすごく助かる

といったように、気持ちを伝えつつ、相手を大事にした言葉と代替案があれば相手も受け入れやすいでしょう。

 

・夫から妻

家計は妻に任せているが、お小遣い制の夫は日々節約しながら少ないお小遣いながらも家族のために働いている。妻はやたらと無駄遣いが多く、貯金がいくらできているかもわからない。ストレスを溜めないためにどう話し合う?

→共働きも多い昨今なので、自分で稼いだ分は自分で使うという家庭も多いですが、家族である以上家計を同じくする項目は出てきます。どっちが多く出したかで揉めることも少なくありません。

  1. 夫は一生懸命働いているが給料は急には上がらない、今は必要ないものを買うよりも将来のためにお金を使うべき
  2. お小遣いをあげてほしいのではなく、このまま浪費を続けても同じことの繰り返しで何も満たされないのではないか
  3. 家事もストレスがたまることを理解する
  4. ものを買うときのルールを考える、1つ買ったら同じ額を貯金する等

 

例2)職場での出来事

今夜は大切な友人と会う約束があるが、就業時刻前に上司に提出していた書類のやり直しを命じられた。残業していると約束の時間に間に合わないが、やり直しの仕事なので放置するわけにもいかない。

→仕事も大事ですが、自分のプライベートを守ることも仕事のうちです。

  1. 今日は大切な予定があるので残業はできません
  2. やり直しの箇所は目を通し、確かに修正が必要と理解しています
  3. 細かく見て頂きありがとうございます
  4. 明日の朝いつもより早く出社して会議までには作り直します

今日は残業ができなくても修正の必要性を共感し、その仕事をまっとうする期日を設ければ上司も嫌な印象は受けないと考えられます。

行動は意識して練習すれば必ず変えられる

性格は変えられないと思う方は多いでしょう。

しかしながら、性格は日々の行動の癖と、経験によって得た教訓の結果と考えることができます。

逆に言えば、ある経験の捉え方、考え方を意識して行動し、それを180度変えれば、180度違う性格になっても不思議ではないのです。

コーピングやアサーションは、その場しのぎの行動をやめて、ストレスの少ない解決方法に導くためのスキルになります。

最初は難しいと感じることも多いですが、「嫌だな」という負の感情が思い浮かんだ時に思い出してください。そしてポジティブに変換してみてください。

それを繰り返すことで新たな習慣となり、行動を変えることでストレスを避けずに解消できたり、今までストレスを感じていたようなこともストレスと感じないようになるでしょう。


今回はアサーションについて紹介しました。

人間関係でうまくいかないことが多い人は、表情も硬い人が多いです。

少しでもいいので口角を上げることで印象が柔らかくなります。

ネガティブな感情が出てきたときほど、口角をあげて無理矢理にでも一瞬笑顔を作ってみてはいかがでしょうか?

効果はきっと感じられるはずです。

 

 

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  • この記事を書いた人

山根一彦 医学博士

一般社団法人認知症協会理事。徳島大学大学院医科学教育学部卒。医学博士。 生体防御・感染症代謝を専門とし、ミトコンドリアの活性化、インフルエンザの重症化等を研究。第一三共ヘルスケア株式会社、SBIアラプロモ株式会社など、複数の大手製薬企業で商品の開発・改良に参加。知財として価値の高い複数の特許を取得。 2017年、認知症協会理事に就任。以後、認知症予防に関する講演・執筆活動を行う。2018年より一般の読者向けに無料メール(LINE)マガジンを開始し、現在の購読者は80,000人超え。著書「認知症にならない最強の食事」。

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